泥睡

目を閉じると、体は溶ける様に動きを失う

同時に意識が、泥の中へと沈みゆく

その中で、わたしは

どんな世界を見る?


例えば中世

教会では1人の少年が祈りを捧げ

修道女と司教が

少年に神からの救いの言葉を連ねている


例えば現代

個性豊かな力を持った者達が

時に社会を定め

時に反乱軍を作り上げる


例えば未来

弾丸の様な雨が地を穿ち

生命、文明、歴史

全てを滅ぼしてゆく


眠りという唯一の安寧の泥の中で

わたしは思考を巡らせ

想像力を働かせ

わたしだけの世界を形作る


時には気に入った世界を広げ

時にはつまらないと吐き捨てる

そうして作った世界を眺めることで

わたしはわたしでいることができる

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