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第二話 優しさの序

2017年より前の僕は至って”当たり前”だったと思う。


 人より身長がけっこう高くて、少し立地の良い家に住んで、幼稚園に通って、ご飯を沢山食べて走り回って、小学校に通い始めて、友達と公園に自転車で行ってベイブレードをしたり、小学校低学年にしては少し大人な飲み物を自販機で買って友人と飲んだりと、本当に世間一般的な目線で言えば平成末期の小学校低学年なら当たり前の生き方をしていたと思う。確かに自身のまだしっかりと形作られてない優しさという感情というよりは感覚的なものがその時の僕の心を気弱にしていたのは今となっては分かっているし、それが原因でいじめすれすれの事を周りの友達にされたのも分かっている。(それ以外にも原因は自分にあるだろうし、その友達にも非があったのは事実だと思う)

数ヶ月前にはあの頃の自分があのままそのまま育っていたら久保さんは僕を許さないの白石君みたいにでもなってスクールピラミッドの下のほうに居続ける人生だったのではないかなと思ったこともあった。



しかし、その僕のあのときの ””優しさの種”” は15歳になった今の僕の心の中で誰にも劣らぬほどに美しく咲き誇っているし、その花が蒔いた新しい種は、優しさという感情から派生して新しい”気持ち”や”考え方”の花として毎日育ち続けている。中にはネガチブな感情なんかもあるけれども、結果としてそれは、僕ら日本人という

”種(しゅ)”にとっては理論上は正しいものが多いと思う。    だから、ここで僕が言いたいことは昔の経験は必ず将来役に立つということだ。




次の話では、その優しさについて、自分の人生で今に至るまでどういうふうに関わってきたのかについて書こうと思っている。

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