第9話 乙女チュリミの花言葉⑨
乙女チュリミの花言葉⑨
父よ
偉大な父よ
息子に背丈を抜かれ
娘に叱られた
その姿よ
抜かれ叱られた
そのさびしさこそ
君が育んだ証
ついでに妻にも
怒られた、か
ああ、情け無い
抜かれ叱られ怒られたのか
父よ
その背中こそであろう
肩を落とすな
息子をおぶったその背中を
娘を乗せたこの肩よ
子等は学んだ
息子は父の背中の雄大さを
娘は父の体躯の頼もしさを
故に
その大きな背中と肩こそが家民の安心なのだ
家民のソトでは出せぬ吐き出しを、しかとウチで受け止めよう
家庭の末席に座りし父
偉大な王よ
・・
「さっ、来週は父の日。
準備しなくちゃ。
定番の黄色の薔薇にひまわり。
ひまわり
憧れ・光輝・あなたを見つめる・あなたは素晴らしい
ふむふむ
黄色のバラか
友愛・献身・平和・嫉妬・薄らぐ愛
うーん
ネガティブもあるのね
ひまわりと薔薇
向日葵とバラ
父の日まで一週間
薔薇と向日葵のお勉強ね
あっ
いらっしゃいませー」
君の地球に
生まれし民は
ようやく
君に
水と太陽を与え
父の花は咲くのかな
父と陽水と民生をじょうろ
ハミルの父
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