第35話 リアーナのアドバイス

「待って下さい!

アイリーさん!」


「エイトさん…

どうなさったの…?」


「俺ならあなたの病気を治療出来るかもしれません!

リブ北区のアパートに部屋が空いています。

そこで静養してくれませんか?」


「…ありがとう…

エイトさん…


私はあなたに酷い事をしましたのに…

その私の治療を…」


アイリーさんは泣き崩れながら言う。


俺とカイでアイリーさんをリブ北区のアパートに連れて行った。












そして、シイナさんという元看護師さんをアイリーさんに付けて、俺は種研究ガーデンにて、種の研究をしまくった。


しかし、金の延べ棒や黄金のりんごはなっても、ガンの治療薬は中々成らない。


困り果てていると、初代種研究ガーデン者のリアーナがやってきた。


「おぉ、リアーナか!

なぁなぁ、薬って成らないのかな!?」


「そうねぇ。

私も色々と試したけど、薬は成らなかったわよぉ。」


「そうか…」


ガックリする俺。


「あ!

でもぉ!」


「でも、何!?」


「薬が出来そうな種までは開発したのよねぇ、そういえばぁ。

持ってくるからちょっと待っててぇ。」


そして、リアーナは数分で戻ってきて袋を俺に差し出した。


「これは…!?」


「ポーションの種よぉ。

それをアレンジすれば、もしかしたら…?

っていう所で、ちょうど終わってるのよねぇ。」


リアーナは言って、去っていった。


よぉし!

やるぞ!


俺は夕食に呼ばれても、種を研究し続けた。


そして…


種を研究して、1週間後…













ポーションの種×3つと、水の種×2つと、月の種×2つで、"ウォータールナキュアオール"ができた!


これは…!?

傷付いた動物に飲ませると、即傷口が塞がった!


これだ!


俺は早速アイリーさんに持っていった。


「アイリーさん!

ガンは治るかもしれません!


いや、きっと治りますよ!!!」


俺は言って、ボトルに入ったウォータールナキュアオールをアイリーさんに飲ませた。


1日1度それを飲み続けると、1週間後にはアイリーさんは食欲も戻り、段々と顔色も良くなり、痩せ細っていたのが、ふっくらしていった。


そして、1ヶ月後、魔法血液検査でガンの数値は現れなかった!














「助けられてしまいましたわね…」


「人として当然の事をしたまでですよ。」


「いいえ、これは借り1ですわ。

いずれ、きっちりお返ししますわよ。」


アイリーさんは最後まで、そんなアイリーさんらしい事を言って、Earthから去って行った。


もう2度とライバルにはしたくない、すごい才能の持ち主だったな…


そんな事を思い、俺はアイリーさんを見送った。

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