第33話 宿屋の一室

俺は従業員たちを宿屋の一室に集めた。


「この部屋にベッドを3台置いて、仕切りのカーテンを付けます。」


「はぁ…?

ベッドを…ですか…?

一体何を…?」


ユーラさんが不安気に尋ねる。


「俺たちがこの宿屋の一室を使って行うのは…













"エステ"です!」


俺は言った。


「え…す…て…?

何ですか?

そのえすてって?」


ララさんが尋ねる。


「エステとは、簡単に言うと美容マッサージの事です。

ここにどこにでも売ってる保湿クリームがあります。

とりあえず3種類用意しました。


しかし、この保湿クリーム3種類にはそれぞれ特殊な物質が入っており、身体をすべすべに出来ます。」


俺は説明する。


「特殊な物質…?

一体何が入ってるんです?」


カイが尋ねた。


「あぁ、それね。

これは、すべすべの種を混ぜた、3つの物が含まれてるんだ。


1、すべすべパールクリーム

2、すべすべアロエクリーム

3、すべすべ緑茶クリーム


ですね。


パールクリームは身体をツルツルにしたい方、アロエクリームはしっとりさせたい方、緑茶クリームは肌荒れが気になる方に、それぞれおすすめしてください。


もちろん、このエステルームの店員は女性でお願いします。」


俺は説明する。


「はぁ…!

相変わらずどこからその知識は湧いて出るんですか!?

素晴らしいですよ!」


ユーラさんがやっといつもの覇気を取り戻した。


「はははっ。

とにかく宣伝しないといけないので、カレー店とチョコレート店にエステルームのポスターを貼って、さらに街にチラシを配りに行きましょう!」


俺。


みんなが、涙組みながら拍手で賛成してくれた。


みんな、この1ヶ月は本当に辛かったのだと思う。


さぁ!

反撃の狼煙を上げる時だ!


俺には地球図鑑と植物スキルがある!!!













3日後、エステルームは本当にすべすべになる!と口コミで噂になり、大勢の貴族のお姫様や女性たちが押しかけた。


みんな、宿屋に泊まって行くので、宿屋の売り上げももちろん鰻登りだった。


まぁ、アイリーさんのホテルローマも相変わらず稼いでいるが、それはそれだ。


別に両方儲けても、それはそれで良い。


しかし、それはちょっと甘い考えかもしれないな。

俺はアイリーさんに対抗すべく、ある建物をラッシャーさんに依頼していた。


それは…


オペラ座に対抗して…
















バレエ劇場だ!


俺は地球図鑑で覚えたバレエの技を元サーカスの団員に教え込んだ。

元サーカスの団員は身体がとても柔らかく、筋肉もあり、バレエの技を1週間足らずで覚えてしまった。


そして、1ヶ月後、バレエ劇場が完成し、初の"花の妖精"という演目が行われた。

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