第20話 種研究ガーデン

「分かりました。

しかし、受付もあるなら、5人で回りますかね?」


ユーラさん。


「大丈夫ですよ。

残念ながら、今はまだそこまでのお客は来ないと思いますし。

俺もしばらくは宿屋を優先して手伝いますから。


とにかく、ユーラさんは全体の指示を、サボンさんとデフィさんは食堂の料理を、そして、ララさんとカンナさんはお客様がチェックアウトした後の清掃や大浴場の掃除をお願いします。


もしも、俺も手伝っても回らなくなったら、増員を考えますから。」


俺は説明した。


そして、数日後、ピカピカの宿屋が完成した!


その日からオープンすると、カレー店の影響もあってか、チラホラとお客が泊まり始めた。


ユーラさんは的確な指示を出しており、俺はどうやらそんなに必要は無いみたいだ…

カレー店もリアーナが手伝っているし、とりあえず俺は農作業に戻るか…


そして、ハイペリオンの門を通ってエブリファーム区の畑に向かった。


「セス、カイ、シャロン!

どうだ、畑の調子は?」


俺は3人に声をかける。


「いつも通りですよ。

だけど、新しい種がありますよ。」


カイが言う。


「へぇー!

どんなの?」


「コレだよ…」


セスが手のひらに種を乗せ見せる。


「コレは…!?

稲の種に似てるけど…

小麦か…!?」


俺。


「多分そうだと思うですぅ!」


シャロンが言う。


「だけど、畑はフル稼働してますからね。

小麦畑を作るなら、もう1面増やさないといけないですし…

それに、僕たち3人で7面の畑を回せるかどうかも…」


カイが言う。


「ふぅむ、確かにそうだな。

それにさ、小麦って精製するのに手間がかかるだろ?

稲もそうだけど。


精製する手間が省けるように、ちょっと種を研究させてくれ。

まだ、7面にはしなくて良いよ。」


俺は言って、小麦の種と稲の種を幾つか貰って、屋敷の裏の種研究ガーデンに向かった。

そのガーデンはリアーナが元々作ったものだった。


俺は丸い種と小麦の種を合わせてみたり、四角い種と稲の種を合わせてみたり、と、試行錯誤したが、中々理想の小麦と稲は育たなかった。


困ったものだ、と思いつつも、その日は切り上げて晩御飯まで地球図鑑の続きを読む事にした。


今日の夜ご飯はカレーライスのようだ。

イールさんが腕を振るうのだろう。


そしてシャロンに晩御飯ですよ、と呼ばれて、俺は地球図鑑にしおりを挟んで降りていった。


賑やかなカレー尽くしの晩御飯が始まり、その日も終わっていった。


明日は引き続き稲と小麦の研究をしなくてはならないだろう。


それから、近いうち畑メンバーをもう1人増やす必要もある。


スロー…ライフ…?(・_・;

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