第13話 当主の隠し部屋

―――――――――『気づいた?』


「むしろ俺が気づかないとでも?」


咲が寝てからある部屋を訪れた。

真っ白な空間のある場所に手を触れるとその部屋が現れた。


その人は真っ先に僕に近寄ってきて口付けた。


「…激しい。」

「好きでしょ?」

「…掴むな。出る。…ぁあっ!!…」


「大人しく『いいこ』しててもそのうちまた心に穴が空く。その時にまたあんたはあの子の前から姿を消すの?」

「……そうしたくないからここを作った。」

「私がいることは知ってた?」

「……。」

「なに?」

「……して。」

「なに?」

「してって!!…」


その人は僕を優しく包み込んで首の後ろに爪を立てた。


「ここではあなたらしくいればいいの。『いいこ』になんてならなくていい。」

「……お願い、して。」


「そう…泣いてお願いしたいくらい辛いの?」

「明日香!!…」


僕が名前を叫ぶと、僕にキスして強引に舌を絡めて、首に爪を立て、直接背中に手を入れて爪で撫でて来た。


僕は力が抜けて行き、明日香に支えられながら果てた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る