第10話 いい風

「いい風。」


僕がベランダに居ると、咲が来た。


「魔法みたいたね。この世界って。」

と僕が言うと、


「まさしくね」

と咲。



「咲さんに。」


僕が空に指を指して円を2つ書いて流すと…


部屋の電気が消えて、花火が上がった。


左側にハート。右側に『Saki』の文字が上がる。



「フッ…やりたい放題。変態魔法使い。」

咲はそう蔑みながら、そばのテーブルに指を指した。


すると、そこにお酒が2つ現れた。


「どうぞ?」

「頂きます。…豆乳カルーア?」


「さすが。ミルクオタク!」

「言い方」


僕がそうつっこむと、

「まだあるけど」と言う。

「いい、いい。」


直後耳に手を当てて言われると顔を真っ赤にした。


この瞬間、花火が上がった。


『marriage me』


「咲さん、反則ね。」

「やるでしょ?」

「でも本当は違う」

「そう。本当は…」

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