僕らが転生した理由 〜転生した先は赤い地球〜神々に弄ばれた人間の物語

第8話 異世界に転生

　まあ、何となくそうかなとは思っていた。

　色々な違和感は感じていた。

僕が知ってる地球は青いし、魔物とか魔術とかおとぎの話だと思っていた。――でもここでは現実だった。

　紛れもなく、僕は異世界転生をした。

　正直、もっと受け入れ難いものなのかと思っていたが、僕は意外とすんなり受け入れられた。日本に帰りたいとも思わない、あそこは僕にとって生き辛い場所だった。

　それにせっかく異世界に転生して、綺麗な顔を手に入れた。優しい家族もいる。ちょっと怖いけど学校に行ったら友達ができるかもしれない。今の僕は未来が明るいんだ。拒む理由がない。

　拒むなんてこの肉体の持ち主、エーデルに失礼だろう？　いつまで僕でいられるのか、いつエーデルに戻るのかわからないが、その時エーデルが困らないように、一生懸命生きようと思う。

　こうして僕がこの国で、この星で、いや異世界で生きていく覚悟は決まった――

　本を読み終えて、家に戻ると庭でアルメリアが昼寝をしていた。僕は着ていたジャケットをアルメリアに掛け、その隣に座り頭を撫でた。

　アルメリアの顔に百合の面影が重なる――

　昨日も思ったが、どこか百合と似ているな。性格は穏やかで優しい、でも少し抜けていて放っておけない。

　前世では百合に対して、忘れ物していないかとか、門限は7時までとか、つい心配で母親みたいになってしまっていた。それでも百合は僕に対して反抗なんてした事なかった。それなのにあの日は喧嘩をした。あの時の百合の表情が忘れられない。

怒っているのに、悲しい表情。目にめいっぱいの涙を溜めているのに絶対に零さないと我慢していた。

そんなことは初めてで、僕も少し戸惑っていた。

　そしてすぐに僕と百合は……

「ふぁ〜。あれ？　お兄ちゃん帰ってきてたの？」

アルメリアはあくびをしながら起き上がる。確かエーデルは愛称でアルって呼んでたな。

「ただいま、アル」

「図書館には行ってきたの？　素敵な本あった？」

この子はなんておっとりした話し方なんだ…愛おしい。

「沢山あったよ。今度アルが好きそうな王子様の本借りてこようか？」

「うん！　私王子様と結婚するのが夢なの」

僕は顎に手を当てて考える。

　結婚はまだまだ早いが強くて、優しく、金銭面で困らないイケメンの王子ならアルをやってもいい。――かもしれない。

　そうだ。さっき図書館で会ったようなイケメンならアルの人生を預けてもいいかもしれない。

「アルなら可愛いから本当に叶えちゃいそうだな〜」

　僕の笑顔は少し引き攣っていたかもしれない。

　アルはニコッと笑顔を僕に向けた。

「少し寒くなってきた。風邪引いたら困るから家に入ろうか」

　家に戻り僕とアルは本を読み、父が仕事から帰宅して家族でご飯を食べた。その後は父と二人で風呂に入り、明日の話をした。

　学校入学までの一ヶ月間僕がすべきこと。それは――