序盤で死ぬ無能な第一王子に転生した俺、暗殺されたくないので少しずつ死亡フラグをへし折ります。

@Soraran226

第1話 転生先は悪役の第一王子

「ここって……どこだ?」

 

 目が覚めると、俺はベッドの上で寝ていた。

 

 小綺麗でシンプルな部屋だ。


 雰囲気的に貴族っぽい感じが漂っている。

 

 でも、俺は貴族じゃないし、そもそも日本にいたはずだ。

 

 なのに、どうしてこんなところにいるんだろう。

 

「取り敢えず部屋から出てみるか」

 

 俺はベッドから降りて、部屋のドアを開ける。

 

「おいおい、これはどういうことだ?」

 

 部屋から出ると広い廊下に出た。


 その廊下はキラキラと光り、赤の絨毯が敷きつめられている。

 

「もしかして城の中か?」

 

 城なんてテレビや漫画でしか見たことないが、ここは城の中な気がする。

 

 まあ、ここで考えてても仕方がないし、取り敢えず歩くか。

 

 俺がそう決めて歩きだそうとすると、 後ろから声が聞こえる。

 

「セリム様、ここで何をしているんですか?」

 

「え、メイド?」

 

「ど、どうしました?」

 

 俺が振り向くと、そこにはメイド服を着た女性が立っていた。

 

 その女性は、綺麗な長い黒髪を後ろで一つに纏めている。

 

「てか俺の名前ってセリムって言うのか……ん?」

 

 セリムって確か、日本で流行ってたあの大人気ゲーム、MDの登場キャラクターじゃん。


 そういえば俺は現世で事故にあって死んだ、それが原因でMDの世界に転生した……あれ?


  おかしなことになってきたな。


 頭が混乱してきた。


 でも、思うに俺はこのセリムという人物になってしまったわけか?


 てことはシナリオ通りに進めば、俺は死ぬのか。

 

「大丈夫ですかセリム様、顔が真っ青ですよ!」

 

「ああ、大丈夫だ、ちょっと部屋に戻る」

 

 俺はメイドの心配を他所に、急いで部屋に戻った。

 

 そして部屋のベッドにダイブする。

 

「俺はこの国の第一王子、セリム・ハストン・ヘイデンか」

 

 俺は、MDのキャラであるセリムに転生してしまったらしい。

 

 その事に関しては、もう受け入れるしかないだろう。

 

 だが問題は、俺の死因だ。


 俺は第一王子だが、性格は最悪、おまけに傲慢で嫌われていた。


 だが王位を継ぐのは第一王子である俺のはずだったが、悪役である俺は味方があまりおらず、最終的に第二王子、第三王女の刺客によって、俺が殺されるっていう結末だった気がする。


 その後は王位争いが苛烈していき、王国が混乱。


 そんな中でMDの主人公、勇者が混乱を鎮めていくストーリーなんだが。

 

「俺もこのまま行けば死ぬんだよな」

 

 王位というのは、代々受け継がれるものだ。


 だがそこで王位を争うとなると、必然的に殺し合いとなるだろう。


 流石に死にたくないしな。


 現世の俺はやりたいこともあまり出来ず、本当につまらない人生だった。


 だからこそ、俺はこの人生を楽しみたいと思っている。

 

「真っ当に生きるのはもちろん、自分の身を守るには、力も必要か」

 

 せっかく魔法や剣が使えるMDの世界に来れたんだ。


 ここで楽しまなければ損というものだろう。

 

「事件が起きるのは半年後か……それまでに力をつけなければな」

 

 俺はそう決意し、父上の元へ向かうことにした。

 

 王の間に向かった俺は、扉を開ける。

 

 すると中には金色に輝く椅子に座っている父上の姿があった。


 父の名前はサルバル・ハストン・ヘイデン。

 

 年齢は50歳近くだったと思うが、見た目からしてまだ40代ほどに見える。

 

 ちなみに父上は俺にあまり良い印象をもっていないらしく、王城の中では好かれていないと言っていいだろう。


 父上からも嫌われていて、第二王子と第三王女には命を狙われているって、俺って本当に運が悪すぎるよな。

 

「なんじゃセリムよ? 儂に何か用か?」

 

「はい父上、お願いがございます」

 

「ふむ……申してみよ」

 

「魔法を習得したく、魔術師を手配してはもらえないでしょうか?」



―――



これからも更新頻度あげていきますので、何卒、★とフォローをお願いしますm(__)m




あなたの★、そしてフォローがめちゃめちゃ励みになります!




※目次ページの「フォローする」ボタンを押せばフォローすることごできます。


※また★は、ページ下部にある星マークから行えます。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る