第19話 文化祭

準備はなかなかに慌ただしかったが、しっかりと報われて文化祭は大成功。


カジノは二日目に、デイリーランキング一位七千枚というインフレが起きたが、チャラ介とゼラちゃんのおかげで我がクラスながらゲーム性はかなり高かったと思う。

ブロッコリー先輩は宣言通り、ヘッドホン先輩とともに、クイ研のシフトをずらしてまで、カジノにやってきた。最後まで運のない二人だったが、それでも少しの当たりは出るわけで、その度にドーパミンもドバドバ出て、

「バニーさん、俺明日も来るわ」

「また一人依存者を増やしてしまいました」

ちなみに私はめちゃくちゃ煽るのが上手いので、見た目以外はバニーに向いてる。


文芸部の方は、大幅な値上げと、生徒会からの圧がずっと不安でしかたなかったが、いざ売り出してみると、そんな不安は全く馬鹿馬鹿しいものだった。一日目も二日目も午前中で完売である。


科学部では、OBの人から名刺をもらった。某有名企業だったので路頭に迷ったらここに連絡しようと心に決めた。

空気砲的あてのシフトは肉体的にも精神的にもくるものがある。あのガ…元気な子どもたち直しても直しても倒しやがる。そういう遊びなのだが。

ビスマス結晶はあんなに綺麗なのにそのガ…元気な子どもたちは動かないものとして見向きもしなかった。

絶望先輩は、スライム作りをレクチャーしながら老若男女問わずナンパしてた。うちの妹もされたらしい。「何歳?」「中2です」「うち目指してんの?」「姉がいるから嫌です」といった具合に。

スライムに使ってるプラコップで飲むジュースは別格だ。


そんなこんなで二日間で一時間しか休みがなかった私。

「文化祭なのに、屋台に行けていない。お昼は屋台で食べたくてお弁当持ってこなかったのに、並んでる時間がなくて、一日目は食堂、二日目は差し入れのお菓子でした」

好き好んで仕事でぎちぎちにしたわけだが。

「ごめんシフトきつかったよね、マジでありがとう。ちなみにヘッドホンは?」

「え、普通に行きに駅のコンビニでカレーパン買った…」

「「文化祭を楽しむ気を見せろ」」

そんなヘッドホン先輩が奴隷となっている時に、コーヒーカップに中学の友だち、会長と乗ったが、なかなか本格的で面白かった。私たちが楽しく自転している中、奴隷たちが黙々と公転しているのが特によかった。


そして後夜祭の前、みんながソワソワしだす中、教室の黒板の下、つまりみんなの視線をあびながら、私は爆睡した。ぱっと目が覚めたら、チャラ介の顔が目の前にあった。チャラ介はびっくりした顔しながら「後夜祭で移動だよ」と教えてくれた。少し胸をドキリとさせながら、私は後夜祭に繰り出した。

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