13_約束

 目が覚めると、どこかの部屋で、椅子に縛り付けられていた。どんなに暴れても、縄は解けそうにない。


「やっと起きたわね」


 目の前に、以前にバーで会った女が立っていた。


「おい、何をするんだ」

「うるさい」


 女が私の口に、漏斗ろうとを突っ込んだ。


「約束したじゃない。奥さんと別れて、私と結婚するって。でも、あなたは約束を破った。嘘つき」


 女のそばの小さなテーブルに、トレーがあった。トレーの中で、大量の針が妖しく光っていた。

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