第2話 2月13日 Side: E
Side E
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「ねえ明日空いてたりしないの?」
とうとう送ってしまった。
突然すぎたかな。
でもこのぐらいの軽さが許される関係性にはなれたはず。
友達ゾーンに入っちゃってそれが心地よかったのは事実だし勝算が薄れつつありそうだなって自覚はあったけど、今週のしいたけ占いに “せっかくなら最後だと思ってバレンタインに渡してみるのもありじゃないかしら。案外事態はいいほうに転ぶかもよ” って書いてあったので行動してみることにしたのだ。
返事次第だけど。
「ほんとに悪いんだけど大学ない時は水曜に丸一日バイト入れちゃってて…」
一時間ぐらいたってから来た返事の最初の一件にはこう書いてあった。
え、まじで。予定あるの?どうしようかな。
他のひととなにかする予定じゃないだけよかったけど。
でもちょっと予定狂ったというかかなりこの気持ちの行き場なくなっちゃうんだけど。
なんて思っていたらそのほんのちょっと後に
「明後日の木曜日なら合わせられますのでそれではだめでしょうか」
と来たのでその口調の差に面白さを感じながら、まあ次善策ではあるかとひとりごちた。
なんなら明日丸一日使えるようになったのでじっくり作業ができるというポジティブシンキングをしようじゃないか。
ということは明後日なら午前中でもいいか。
もし明日になってたら多分夜とかじゃないと間に合わないような気が微かにしてたんだよね。
と考えて「おっけ。じゃあ木曜のお昼前に武蔵境の駅とかは?」と送ると、そこそこすぐに「11時ころ以降なら大丈夫」と来たのでものにしたろ、と思って布団に入った。
バイト先のオーナーさんがとってもいい人で、ちゃんと働いてくれるならスキマ時間にキッチン使ってもいいよと言ってくれていたからちょっとだけ本格的なものを用意してあっと言わせてやろうじゃないかという魂胆と、やばい楽しいけどこんなことするの初めてで進みすぎてないかというドキドキを胸に抱いているとちょっと寝付けなかったけど、明日ちょっと余裕ができたことで安心してすっと眠りに落ちていった。
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