138話 蛮行と愚行の違い
途中で野営をし、翌日夕方前に国境街だった場所に到着した。
移動速度を速めたし、野営もいつもより少し早く出立をした。
拘束している2人に関しては食事を食べさせたりしていたら「ご褒美では?」と数名から言われた。
これをご褒美と言っている人の精神って、結構特殊では?大丈夫か?
「…ほぼ瓦礫ですね」
空亀の襲来があったのだろう一部完膚なきまでに破壊された跡があった。
「流石に都市殺しともう一戦はちょっと勘弁して欲しいな…」
手持ちの武器では足りない。この世界で色々買い込んで地球に持って帰る事が出来る物は持って帰りたいな。
金は結構数購入したから───
「敵襲です!帝国軍、脱走犯のようです!」
御者をして居た神官が叫ぶ。
「せめて脱走犯ではなく野盗と言ってあげてください。どうせ町や村を襲っているはずなので」
相手の銃弾はこちらの障壁を破る事は出来ないようだ。
「躊躇いなく攻撃してきた訳だから遠慮はするな」
そうアスハロアが言った直後、周辺で爆発が起き、人と瓦礫が吹き飛んだ。
「ええええっ!?」
皇帝が叫んでるぞ?
「
「逆、逆!帝国と書いて温室と読むの!」
「それだと相手にバレてしまうじゃないか」
「そのやりとりで分かりましたぁ…」
ほら泣かした。まだ涙目なだけだが。
「遮蔽物から襲撃を受けないよう周辺の使えない建物全て壊してきます!」
他の走鳥車に乗っていた神官達がこちらにそう声を掛け、片っ端から周辺のダメージを受けている建物を破壊して回る。
いつもの障壁殴りで……んっ?
なんか、いつもより強くないか?放った方も驚いているようだが?
「レベルが一気に上がった結果かと」
「上がるような事、ありましたか?」
「えっ?」
えっ?
そんな驚くほどか?
レベルが一気に上がった事に気付かないと言う事はダンジョン突入時以降に急激なレベルアップをしたと言う事で…
「ダンジョン突入時にそんな強い敵、居ましたか?」
…あれ?周りが静かになった?
「神子様、本気で仰ってますか?」
「割と本気」
「森林魔獣地帯から出て来たモンスターや都市殺し、轢き殺した敵など戦いましたよね!?」
「いやそれ結構時間経っているからその間自身がどれだけ強くなっているか分かるものでは?」
「ほぼ毎日レベルが上がる状態が数日間続けば麻痺しますよ!?」
いやいや。毎朝体動かしているわけだから把握出来るだろうが。
「レベルの概念が何故か無い自分ですら変化しているのが分かるんですが?」
どうして絶句しているんですかねぇ?
「神子様が、これ以上強く?」
「障壁強化とか?身体能力向上とかだったら超越者だと思うんですが」
いや、それはない。
障壁は1.1倍程度、身体能力は…多少改善された程度だが、まだ意識に追いつけていない。
この世界の一太刀の最大速度での肉弾戦に対応出来ないんだよなぁ…初動判断で避けたり去なし、カウンターをするのが精々だ。
投げても良いが、瞬時に極めても投げても慣れたら対応されるだろうしなぁ…
「障壁等はどれ位強くなられたのですか?」
「体感的に1.1倍程度ですね」
「俺らが1万とした場合、神子様は10万…それの1.1倍なら…」
「絶望的じゃないですか!」
人の障壁の程度を絶望的とか言うな。
等と話しているうちに掃討と建物の撤去を終えたとの事でそのままここで野営をすることになった。
「…なあ、皇帝ちゃん毎度泣きながら食べているんだが、どういう事だ?」
涙と鼻水を流しながら美味しい美味しいと食べている恐らく同年代の子を流石にスルーするほど俺は鬼や悪魔では無いのでリアーナに問う。
「…はい。どうも陛下は宰相から嘘の情報をひたすら与えられた挙げ句、食事も一般の帝国民と同等の物しか与えられていなかったようで…しかもそれを贅沢品と」
「は?」
「「こんな美味しいモノを独りで食べて済まない」と謝りながら食べているんです」
気まずい表情のリアーナ。
俺は空を見上げ息を長く吐き出す。
「…このロティを現在救援班が普通に配っている事を伝えた方が良いぞ?」
「食べ終わると泣きつかれて眠られるのでなかなか言う機会が無く…」
「そこの2人組。こんな何も知らないピュアピュアな子を今帝位に就かせてもまた騙されるだけだぞ。マジで、いやマジで」
「「……」」
2人は俺らのやりとりを確り聞いたのだろう顔を俯かせて震えていた。
「…リアーナ、皇帝ちゃんの所行ってやってくれ。説明するなら今だ」
「はい」
……皇帝不憫すぎないか?周りが周りだったのか?
それともあのクズのガードが完璧だったのか?
今暫くは食べて寝ての繰り返しをさせる事で3素を取り入れ、疑似3素を体外に排出させなければならないからずっと怠いだろうし。
食事にしても豪華なものは胃が受け付けないだろうし、帝国の民衆の事を思い泣くだけだろうから送る食材で作った料理を提供しよう。
まずはあの王国領都に着いてからだな…問題が起こらなければ良いが…
ロティを食べ終えうとうとしながら果実水を飲んでいる皇帝を見て何度目かのため息を吐いた。
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