第33話 終の住処

俺は下っ端ヤ○ザの財布を盗んで急いで逃げた。

財布の中には3万円程入っていた。

今の状況で俺が安心して暮らせる場所はおそらく大阪府西成のあいりん地区位だろう。

あいりん地区とは日本三大スラムである、路上生活者や日雇い労働者が暮らしている。

俺の様にヤ○ザに追われている人や犯罪者が身を隠すには絶好の場所だ。朝になると沢山のワゴン車がやってきてその日の日雇いの仕事を斡旋している。ここならなんとか生きていけそうだ。俺は鈍行電車を乗り継いでなんとかあいりん地区まで逃げ込んだ。三角形の公園があったので、なけなしの金で買ったブルーシートでテントを作り始めた。

すると他のテントから人が出てきてこんな事を言い出した。

ホームレス「おい新入ここはお前みたいな新入がいきなり住める所じゃないとっとと出て行け」後で知ったが三角公園は周りに認められた上級ホームレスのみが居住を許されるらしい。ホームレスにも序列があるようだ

路上もいい場所は既に他の人が使っていたりする。俺は路上暮らしをしながら日雇の仕事で何とか食い繋いだ。この歳になってもシコる事はやめられないので公衆便所でシコろうとしたところシャブを注入中の薬中がいて注射器を振り回して襲いかかってきた。 

他のホームレスの話によると公衆便所では薬中がいる事がよくあるのでパチンコ屋の便所を借りた方がいいとの事。

なんともカオスな場所だ。

一流大学卒業してホームレス迄転落したのは不本意ではあるが俺はここで暮らす事にした。恐らくここで路上生活者として生涯を終えるのだろうなんとも惨めな人生だ。

日雇の仕事は建設現場が多くキツいがやヤ○ザに金を没収されないでそれなりに好きに使えるだけマシだ。あいりん地区は周囲に比べて物価が異常に安く。日雇の仕事をすれば1週間は食っていける。仕事終わりに近くのホームレスと安酒を煽ってパチンコ屋の便所でシコって寝るのが日課となった。

勿論ズリネタは梅野さんだ。

あんなあに嫌われたのに未だに忘れられない。そんなある日日雇の仕事を求めてワゴン車を回っていると

???「居たぞ!捕まえろ」

龍一「?!?!」


※この話はフィクションです。実在の人物団体とは関係ありません。


第三十四話に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る