第19話 懐かしい声
「女王様……合わせたい者達がいます!」
「ほぉ……で!? この者達は、何なんじゃ?」
「この者達は、私の仲間で……調査に行っていた人間側に着く魔物でございます」
女王が注目する中、フロックは……
「この者が……魔物でありながら人間側に『よぉー! エルフ久しぶりだな』」
「先輩、失礼すッよ……」
「確かに、今のは失礼ね」
「いや、でも、知り合いのエルフだし……」
すると、エリアルの怒鳴る声が響き渡る!
「フロック、女王に失礼よ!!!」
「いや、でも……」
「ふざけてないで、黙りなさい!!!」
「ふざけてるわけでは……」
「フロック!!!」
「はい! ごめんなさい……」
「女王様、申し訳ございません……コヤツは、いつもふざけていて——悪気はありません。
どうか、お許しを……」
「貴方の顔に免じて許しましょう。
でも、次はありませんよ! カエルさん」
「あ"ぁ!?」
フロックは、少し怒っていた。
しかし、またエリアルに怒られると静かになった。
「で……!? 貴方達は、どの様な要件で私の元に来たのですか?」
「エリアルを返せーーー!!!」
「「そうだ! そうだ!!!」」
フロックのその言葉にキバとシロは乗ってしまった。
「申し訳ございません。女王様……」
「ダメよ! エリアルは、この里を守ると言う大事な任務に就いたのだから」
「誰も、こんなへんぴ森に攻めて来ねーよ!
だから、エリアルを返せーーー!!!」
「な……!? このカエルは、失礼にも程があるわね!!!」
「うるせ〜! こっちは、魔王を倒す為にエリアルの力が必要なんだよ!!!」
「はぁー!? あんたみたいなカエルが魔王を倒すですって……無理よ!
あの魔王の恐ろしは、私が一番知っているもの……」
「魔王の恐ろしさを知っているって、お前が……お前、魔王と戦ってないだろ!」
「何を失礼な事を言うんだフロック!!!」
またもや失礼を働いたフロックにエリアルが怒る。
「いや、でも、あの時! エルフとドワーフは魔王の『ちょっと待って! カエルさん』」
エルフの女王がフロックの話を止めると……手招きをして二人で、こそこそと話し出した。
*
「ちょっと、あんた……何処まで知ってるの?」
「何処まで……? 全てだ。勇者が一人で魔王と戦って『分かった。分かった!』」
「なんで知ってるのかは、聞かないわ! だって、魔王の城で戦ったのだから見ている者が居ても不思議ではない。
そんな事より! この事を知っているのは、貴方と魔王の他に居るのですか?
魔族側で、どれだけ広がっているの!?」
「質問が多いな……詳しくは、分からないが——この事を知っているのは、魔王と俺くらいじゃねーかな……」
「そ……そうなのね」
エルフの女王は、少しホッとしている様子だった。そして……
「ねぇ〜、相談があるんだけど……この事を黙っていてくれらエリアルを連れて行っても良いわよ! だだし絶対に他言無用よ。分かった!!!」
「そんな事で良いなら、任せろ!!!」
「じゃー交渉成立!!!」
そうして、フロック達はエリアルを連れ戻すことに成功した!!!
*
それから街への帰り道、エリアルはフロックに質問をした。
「ねぇ、フロック……女王様は、なんでいきなり私を貴方達の元へ戻って良いと言ったの?」
エリアルに、そう質問をされたフロックは困りながら……
「……あれじねーのか!? お前の事が邪魔だったとか……?」
「そんな訳ないでしょ!!! これでも私は、エルフの里で結構重要なポジションに居るのよ!」
「そうなんすッか!? 姉さん、さすがすッ!」
「まぁ、なにわともあれ! 戻れたんだから良いじゃねーか。
これで、このパーティーも一安心だ!」
「そうね。このパーティーには、私が必要だものね!」
「ああ……」
「そうすッよ!」
「そうね」
『ツッコミとして……』
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