2024年12月
12月1日 やるせない夜に遠吠え劇場は暗く明るく瞬いている
12月2日 白鳥の形のボートが水面を切る目的地は決めなくていい
12月3日 限られた時間の中でできること ひとまず今日はピザパーティーを
12月4日 神さまは待ってくれないいつだって 雪は降るだけ溶けるだけ
12月5日 店先のサンタクロースと目が合った 「チキン食べや」と言われた気がした
12月6日 部屋干しの恋は腐って落ちるからせめて窓は開けておこう、と
12月7日 十二月缶のコンポタキムチ鍋コンビニおでん三種の神器
12月8日 週末はどうやら寒くなるらしい どこにやったか私の手袋
12月9日 木枯らし。恥ずべき過去を積み重ね目も当てられない今を愛する
12月10日 窓際の埃をはたくはたくはたく ポインセチアは日向を目指す
12月11日 いつぞやの焚火の跡はいつまでも癒えない傷とよく似ていて
12月12日 めでたしで終われるならば幸せだ(でも)時間は止まってくれないし
12月13日 歩道橋から眺めた朝日が眩しくて眠れぬ夜は清算される
12月14日 初雪の朝は静謐。ハムたまご、じっと見るドラム式洗濯機
12月15日 雷鳴と共に我が家へやって来たサンタクロースはやすぎはやすぎ
12月16日 ドーナツの穴から見通す夜明け前は一番暗い蒼の世界で
12月17日 フィクショナル、で構いませんが。偶然の虹みたいなきみ面影は薄れ
12月18日 絶望も希望も同じ色をして枯葉と一緒に燃やされ崩れる
12月19日 おかしいね。分かり合えない僕達の泣き方だけは同じなんだよ。
12月20日 君の脳に見立てて食べる湯豆腐の味はポン酢と刻んだ青葱
12月21日 空咳を二、三続けてテディベア今夜は酷く冷えるみたいで
12月22日 ゆく年の背中はいつもおんなじで さみしかったりうれしかったり
12月23日 コンビニのおでんを食べるタイミング、逃し続けてとうとう春に
12月24日 クリスマスケーキのイチゴいつ食べる?とかどうでもいいこと知りたいんだよ
12月25日 サンタさん今年もいいこにしてたからでっかい犬を吸わせてください
12月26日 日常と非日常のグラデーション 師は走り抜け年は暮れ往く
12月27日 数え日よ名前を呼んでくれたならどこでもいつでも飛んでいくから
12月28日 空風に揺れるタオルの独り言 レンジで熱燗つくる夜更け
12月29日 年末はなんかいろいろやりたくなる忘れてきたもの取り戻すように
12月30日 いや違う、別に落としたわけじゃない。床にコーヒー飲ませただけ!
12月31日 大歳の今日を思うまま過ごす僕らはきっと明日も僕ら
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