【第6話】
7月10日頃であった。
この日、ひでのりは無断欠勤した。
ふとんの中にもぐりこんでいるひでのりは、ふて寝をしていた。
ひろつぐの母親は『なさけないわね…』と言う表情で怒った。
そんな中であった。
ふさこが通っている学校の担任の先生が家に電話をかけてきた。
電話の応対は、ひろつぐの母親がしていた。
「もしもし…すみませんけど、本人に直接聞かないと分からないので…もう一度かけ直します…」
ひろつぐの母親は、受話器を置いたあと大きくため息をついた。
そんな時であった。
あずさがぼんやりとした表情で居間にやって来た。
ひでのりとほのかは『幼稚園に行きたい…』と言うて泣いていた。
ひろつぐの母親は、ものすごく怒った表情であずさを怒鳴りつけた。
「あずささん!!ひであきとほのかが幼稚園に行きたいと言うてるわよ!!」
「ああ!!ごめんなさい〜」
(ジリリリリン!!ジリリリリン!!)
そこへ、電話のベルが鳴り響いた。
あずさが電話に出た。
「多川でございます。」
電話は、
「
ところ変わって、小牧市にある警察署にて…
刑事課の課長さんは、あずさに電話でこう伝えた。
「もしもし…小牧警察署の刑事課でございます…多川さんのお宅でございますか…大変おいそがしいところもうしわけございません…あの…うちの警察署に、銃刀法にテイショクする容疑で逮捕した男があることを供述しました…今から3日ほど前に、名古屋市内で女子大生が連れ去られた事件が発生しました…それで、うちの警察署で取り調べを受けている男が例の事件のことについて話しました…主犯の男を知っている…と言いました…もしもし、聞いてますか?…多川さんの親御さんに変わっていただけますか?…もしもし、取り調べを受けている男が例の事件の主犯は多川ひろつぐと言いました…確か…多川ひろつぐは…執行猶予の期間中でしたねぇ…」
この時、ひろつぐが執行猶予の期間中に凶悪事件を起したことが明らかになった。
それを聞いたあずさは、はものすごい衝撃を受けた。
連れ去られた女子大生がふさえであったこともあきらかになった。
知らせを聞いたあずさは、二重のショックを受けた上に全身が凍りついて動けなくなった。
この時、ひろつぐの母親があずさに声をかけた。
「あずささん…あずささん!!」
「えっ?」
「あずささん!!一体何が起こったの!?説明してちょうだい!!」
「説明…」
「あずささん!!」
あずさは、ひろつぐの母親からの問いに対して間違い電話だとごまかした。
「ああ!!間違い電話…でしたわ〜」
「ウソを言わないでよ!!」
この時であった。
ひであきとほのかが『幼稚園へ行きたい!!』と言うて泣き叫んだ。
「幼稚園へ行きたい!!」
「幼稚園へ行きたい!!」
「お友だちに会いたい!!」
ひであきとほのかが泣き叫んでいるのに、あずさはやさしい声で『お休みにします…』と言うた。
「ごめんね…ごめんね…きょうはおやすみにしようね…」
「幼稚園に行きたい!!」
「お友だちに会いたい!!」
ひであきとほのかは、より強烈な声で泣き出した。
あずさは、やさしい声で言うた。
「明日は行くことができるよ。」
だが、ひであきとほのかの泣き声がより強烈になった。
あずさは、頭を抱え込んだ状態で座り込んだ。
どうしよう…
ひろつぐさんが執行猶予期間中に凶悪事件を起こした…
ふさえとふさこが行方不明になった…
どうすればいいのよ…
ひろつぐが執行猶予期間中に凶悪事件を起こしたことが決定的となった。
ひろつぐの母親は、大急ぎで三島市から保護観察士の男性を呼ぶことにした。
知らせを聞いた男性は、新幹線に乗って名古屋へ向かった。
この日、三島市の酒場街の露地裏で男性が殺された事件で被害者の男性がひき逃げ事故で亡くなった母子のご遺族の男性だったことが判明した。
これにより、横浜地裁は裁判員裁判で出された執行猶予付きの有罪判決を無効にした。
そのまた上に、ひろつぐは最初から母子を殺す目的でひき逃げ事故を起こすことをくわだてていたことなどがあきらかになった。
そのまたまた上に、ひろつぐが亡くなった…いいえ、ひろつぐに殺された母子にストーカーしていたこともあきらかになった。
これにより、神奈川県警は捜査をやり直すことを決めた。
執行猶予取り消し〜再捜査決定の通知を受け取った保護士の男性は、ツウレツな衝撃を受けた。
その日の夜8時頃であった。
保護観察士の男性は、怒りに震えた。
ひろつぐの両親は、しくしくと泣いていた。
保護観察士の男性は、怒った声でひろつぐの両親に言うた。
「サイアクだ!!ひろつぐさんが執行猶予期間中に立ち直ることができると信じていたのに…こんな形で裏切られた…おとーさまは
両親は、しくしくと泣きながら保護観察士の男性に言うた。
「先生…私たちは…どうすればいいのですか?」
「あの時、定時制でもいいから…ひろつぐを高校に行かせたかった…」
「それじゃあ、どうしてひろつぐさんを高校へ行かせなかった!?」
「その時…
「いいわけを言うな!!」
保護観察士の男性は、よりしれつな怒鳴り声をあげたあと大きくため息をついた。
(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)
そこへ、電話のベルが鳴った。
ひろつぐの母親が電話の応対に出た。
「もしもし多川でございます…」
電話は、ひろつぐからであった。
ひろつぐは『ひでのり出せ!!』と言うてひどくゲッコウした。
母親が、泣きそうな声で『わかったわよ…』と言うた。
この時、受話器のスピーカーから豚の鳴き声がひっきりなしに響いた。
母親は、ものすごく不安な気持ちにかられた。
そこへ、ひでのりがやって来た。
ひろつぐの母親は、怒った声でひでのりに言うた。
「ひでのり!!」
「おばさま…」
「あんたに電話よ!!」
「電話…」
「出なさい!!」
ひでのりは、つらそうな表情で電話に出た。
この時、ふさえは遠方の地域にある豚小屋に監禁されていた。
ひでのりは、つらそうな表情で受話器ごしにいるひろつぐに言うた。
「もしもし…」
『オラオドレ!!ひでのり!!』
「ひろつぐさん!!」
この時、豚小屋にいる豚たちがより不安定な鳴き声をあげた。
ひろつぐは、よりしれつな怒りをこめながらひでのりに言うた。
「オドレひでのり!!今からふさえを殺すぞ!!」
「ひろつぐさん!!」
「ふさえはオレの学資保険を勝手に使って大学へ行った!!だからぶっ殺してやる!!」
「殺さないでくれぇ〜」
「もう遅い!!今からオドレの
「殺さないでくれぇ!!このとおりだ!!」
ところ変わって、ふさえが監禁されている豚小屋にて…
豚小屋には、ひろつぐと黒い覆面をかぶって、黒のジャンパー姿の男10人がいた。
ふさえは、天井から吊り下げられたロープで両手首を縛られていた上に、ベージュのインナーとショーツがボロボロになった姿にさらされた。
ひろつぐは、スマホのライン通話アプリで電話の向こう側にいるひでのりに対して怒号をあげた。
「オラオドレドロボー!!悪いことをしたと思うのであれば命でつぐなえ!!」
この時、豚小屋にいる豚たちの鳴き声がひどくなった。
「ひでのり!!逃げるな!!」
この時、電話は保護観察士の男性に変わった。
ひろつぐの怒りがさらに高まった。
ひろつぐは、保護観察士から言われた言葉に対して『ひでのりに変われ!!』と言うて強要した。
保護観察士の男性はふさえを解放するように強く求めた。
ひろつぐは、よりしれつな怒りをこめながら保護士の男性に言うた。
「あんたには用はねえんだよ!!ひでのりに変われと言うたら変われ!!」
保護観察士の男性は、電話の向こう側のひろつぐに必死の説得した。
「ひろつぐさん…聞こえるか…ひろつぐさん!!」
この時であった。
受話器の向こう側から小林の声が聞こえた。
小林は、よりしれつな怒りをこめながら保護士の男性に言うた。
「おいコラ
「あなたは一体だれですか!?」
「よくもワシらのジャマをしたな!!」
「私は、ひでのりくんと話しをしているのだ!!」
「もうアカンな…それじゃあ多川ひでのりに言うておけ…今からひでのりの
このあと、小林はより過激な行動に出た。
「ギャァァァァァァァァァァァ!!ギャァァァァァァァァァァァ!!ギャァァァァァァァァァァァ!!おとーさーん!!おかーさーん!!ギャァァァァァァァァァァァ!!ギャァァァァァァァァァァァ!!ギャァァァァァァァァァァァ!!」
ふさえの強烈な叫び声と同時に、豚小屋にいる豚たちがより強烈な鳴き声をあげた。
電話はそこで切れた。
保護観察士の男性は『もう…ゼツボーだ…』と言うて、肩を落とした。
強烈な悲しみを受けたひでのりは、女々しい声で泣き出した。
「ふさえ…ふさえ…うう…うう…」
「あなた…」
「うう…うう…」
あずさとひでのりがひどい悲しみに包まれていた時であった。
(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)
この時、再び電話のベルが鳴った。
ひろつぐの母親が電話に出た。
「多川でございます…」
「多川ひろつぐの父親いるか!?」
受話器の向こう側から竹宮の不気味な声が響いた。
この時、電話の受話器の向こう側で豚の鳴き声が響いた。
もしかしたら、ふさこも豚小屋に連れて行かれたのでは…
ひろつぐの母親は、ひどく不安になった。
ひろつぐの母親は、父親に受話器を渡した。
「あなた…」
「分かった…」
ひろつぐの父親は、ひと間隔を置いてから電話の向こう側にいる竹宮に言うた。
「もしもし…多川ひろつぐの父親です。」
受話器ごしにいる竹宮は、より気色悪い声で言うた。
「久しぶりでおますな…」
「だれだキサマは!!」
「そないに怒らんでもええやん…」
「キサマ、どこから電話をかけているのだ!?」
「どこだっていいじゃないですか〜」
ところ変わって、ふさこが監禁されている豚小屋にて…
竹宮は、スマホのライン通話で電話していた。
ふさこは、ボロボロに汚れていてズタズタに破れた制服姿で、口にさるぐつわをかけられて、両手首を縛られていた。
ふさこは、黒い覆面をかぶった男数人にサバイバルナイフで脅されていた。
竹宮は、電話口の向こう側にいるひろつぐの父親に怒った声で言うた。
「今からあんたに伝えておく…今からオドレの大事なオイゴの次女を
「頼む!!このとおりだ!!ふさこに手を出すな!!」
「もうあきまへんな…あんたは5000万円の約束手形を返しませんと言うた…だから、オドレの大事なオイゴの
この時、豚小屋にいる豚たちがより強烈な鳴き声をあげた。
(ガチャ…)
電話は、そこで切れた。
保護観察士の男性はひろつぐの父親に声をかけた。
「多川さん…」
がっくりと肩を落としたひろつぐの父親は、震える声で泣いた。
その一方であった。
小牧市の警察署で取り調べを受けていた男は、取り調べに対してモクヒした。
捜査が行き詰まったようだ。
どうすればいいのだ…
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