第17話 出て来いやーっ!(2)
ジリジリと照り付ける太陽。青い空には白く大きな雲が浮かんでいた。
この時期の雲は、横に広がる『
入道雲や積乱雲は危険だが、今はその心配もなさそうだ。
風が無いのは少し気になるが――
(特に不審な点はないか……)
湿度が高いため、汗が乾かず不快だが、霊が出現する際に感じる『特有の
(今は俺の方が不審者かもな……)
踏切の中央に立って周囲の様子を注意深く
その姿はさぞ間抜けに見えることだろう。
このまま、ここに立っていても
やはり、
電車も来るため、いつまでも踏切の中央で突っ立っているワケにもいかない。
一度『呪い屋』たちの
「ミャーオ!」(そこね!)
茶々は一声鳴いて、俺の頭から飛び降りる。
同時に
本来、猫は
どうやら、そこに
俺には見えないが、探す手間が
「ミャーッ!」(おんどりゃー!)
と飛び掛かる茶々。
先程から、ちょくちょく使う
(いったい、
気合が入るのだろうか?
茶々は線路の上で、
一方で攻撃されることには
情報通り、夕暮れの時間帯でなければ、力を発揮できないようだ。
三毛猫が
(今は
俺は白く光る霊の動きを読んで、先回りする。茶々が
飛び掛かる茶々に対し、怨霊は攻撃を
その動作は単調なようだ。
なので、俺はタイミングを合わせるだけでいい。
怨霊が避けるであろう場所に右手を伸ばす。
バスケやサッカーでいう、インターセプトの要領だ。
読み通り、簡単に捕まえることが出来た。
霊なので「冷たいのか」と思ったが、そういうワケではないようだ。
実体化はしていないので、重さも弾力もなく、空気の
いや、本来なら、そもそも触れることは出来ない。「手で
また、捕まえた霊の姿を
俺の手から必死(?)に逃げようとしているようだが、抵抗する力は弱かった。
仲間になってくれる存在を探して
生前の自分と同じ位の年齢の子供を探し、向こう側へ連れて行こうとした。
(そんな所か……)
『海や川で
被害が出ている以上、このまま
一方、俺の
取り
俺が「戻るぞ」と言おうとした時だった。
間違いなく、俺の右肩の辺りに別の霊が居る。
予想していなかったとはいえ、
一瞬、固まってしまったが、ここは落ち着くべきだろう。右手で
だが、90度も動く必要はなかった。丁度、俺の顔の位置。
その真横にあったのは、真っ白な怨霊の顔だ。
性別はハッキリしないが、目と鼻、口の位置に
実際に存在する人間の顔というよりも「美術の時間に
周囲の空気は黒く
俺が子供の霊を
同時に右手へ違和感を覚える。
いつの間にか、俺の右手には長い髪の毛の束が巻き付いていた。
(子供の霊を取り戻そうとしているのか……)
============================
👻(*ฅ•̀ω•́ฅ*)ニャー 茶々の活躍により、
霊を捕まえることは出来ましたが、
別の霊が出てきてしまいました。👻
もうひと踏ん張り、必要なようです。
============================
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます