036.恋バナ

 ──なあ、ちょっと相談聞いてもらえる?


 ──え? 違ぇよ、病気とかじゃなくて。まあ、最近ちょっと、食欲なかったり寝れなかったりするけど? 元気だって。うん。


 でさ、一ヶ月くらい前に親がテレビ買ってくれて。小さいやつなんだけどさ。「お前はもっとニュースを見ろ」なんつって。


 でもさ、ほら、見ないじゃん? テレビとか。


 まあ、でも? せっかく買ってくれたしさ。


 タイマー設定して、朝目覚ましがわりにニュースつけるようになったんだけど……まあそれはどうでも良いんだけどさ。


 ほら、俺、お笑い好きじゃん?


 だからネタ番組とかはちょっと見るようになったのね。


 で、こう、テレビ見てるとさ、スマホもそうだけど、なんかふっと画面暗くなることあるじゃん?


 自分の顔が映って萎える的な瞬間。


 あの瞬間にさ……俺の隣に、なんか女が映るのよ。


 ──えっ、あ、ごめん。そう、ちょっとホラー系の話。


 なんかお笑い見てるときだけなんだけど、暗い画面に笑ってる女が映んの。若い、たぶん同い年くらいの女、の子でさ。


 ──そう、笑ってるだけ。しかも他の番組、ニュースとか音楽番組とか見てるときは映らないの。お笑い番組のときだけ。こう……間に一人分くらいのスペース空けて、座って一緒に見てんの。


 スマホでもネタ動画とか見るんだけど、そのときは……寝っ転がってっからかなあ。映んないんだよね。テレビ見てるときだけ。


 その子がさ……その、めっちゃ可愛くて。


 顔とかめっちゃタイプなんだよね。


 しかもさ、最近、だんだんその子と俺の距離がさ、こう、一人分くらい空いてたのがどんどん近づいてきてて。物理的に距離つめて来てんのよ。だから俺も意識しちゃってさ。お笑い番組片っ端から見たりして。


 まあ……その……恋? してるわけよ。


 これってさ、脈アリだよな?


 相手も俺のこと、好き、だよな?


 ──え? そう、恋バナだよ。恋の相談。


 言わせんなよ、恥ずかしいなあ。

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