百話厭説

001.庭に埋まっていたスマートフォン

【動画1】30秒


私の家が映っている。

脇の道から、庭が見えるアングルで撮られている。


くぐもった音声で「ほら」「ほら見える?」。

音声がくぐもっているのはスマホの故障?

(ビデオ通話のキャプション?)


リビングの窓(カーテンは閉まっている)に少しずつズームしていく。

窓にはスマホを構え塀の上に伸ばされた手がぼんやり映っている。


映像終了


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【動画2】15秒


動画1の続き?

かなりブレている。家の外観をぐるりと映している様子。


「絶対同じだって」(?)と言う声。くぐもった音声。

(これもビデオ通話のキャプションか)


映像終了


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【動画3】5秒


ピントがボケている。

慌てて撮った様子。ガサガサという音。


家の玄関(私の家?)から出てきた誰かが鍵を閉めている様子。

ボヤケていて誰なのかはよくわからない。


ガサガサっという大きな音と共に映像が暗転。


映像終了


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【動画4】33秒


撮影者は玄関ドアの前に立って扉を映している。


画面の端からすっと手が伸びてくる。手には鍵が握られている。

鍵を鍵穴に挿し回そうとするが回らない様子。

何回かがちゃがちゃと鍵を回そうとした後、鍵を引き抜く。


「合わない」「合わないな」と言う声。くぐもった音声。


最後に再びドア全体が映される。


映像終了


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【動画5】10秒


空き地が映されている。


「無い」と言う声。くぐもった音声。


映像終了


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【動画6】2時間46分53秒


地面に直径20cm程度の浅い穴が掘られており、カメラはそれを映している。


カメラが空を映した状態で穴の中へ入れられた様子。画面の端に人影が映る(逆光で顔は見えない)。


カメラに土がかけられる。どうやらカメラを埋めている様子。程無くして画面は真っ暗になる。以降画面に変化なし。音声も特に無し。


それから2時間45分程して急に画面が明るくなる。


カメラを覗き込む私の顔が映る。


映像終了

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