第38話… いよいよ

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 月日が経つのは早い…

 あっという間に 研修の日がやってくる



 研修は平日に実施されるので

 紗蘭さらん✿︎幼稚園は休園となる


 園児は休みだけど

 教員達は 普通通り仕事…

 職員室や保育室で作業をしている




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 駅で 待ち合わせ


 人がごった返す週末の駅

 背の高いしゅん先生を見つけた



「俊 先生!」


「アミ先生!お疲れ様!」


「行きましょうか!」


「もう1人来るんだよ…聞いてない?」


「え?もう1人って誰…あ!!」


「お待たせしました!(´∀`*)」



 颯爽と現れたのは のん




「な、なんで…のn…のぞむ先生が?」


「素晴らしいよね!

 今後のリトミック保育にも

 役立てたいから

 今回の研修を一緒に参加させて欲しいって

 園長先生に直談判したらしいよ!」



 俊先生の横で

 こっちを見ながらニヤニヤしてる相棒のん


 昨日 お土産は何がいい?って

 電話で話した時は

 何も言ってなかったのにっ!(⑉・̆н・̆⑉)



「私は 聞いてないですよ!」


「言ってませんから!(´▽`*)アハハ」


「熱心な先生だよ、のぞむ先生は

(。'-')(。,_,)ウンウン」




 感心してる俊先生を横目に


「何か間違いがあったら

 困るだろ!( *¬ω¬)ボソッ…」


 と、こっそり耳打ちするのん

 ため息をついた…


「(。´-д-)ハァ…あるわけないでしょ!(ボソッ)」


「遠くにいたら何かあっても

 助けに行けないし…(ボソッ)」



 ちょっと寂しそうに呟くのん

 妙に可愛く見えた




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜




 姉妹園の牡丹学園で

 有意義な研修が終了し

 各地から集まった提携園の先生方と

 懇親会に参加


 ここでの 他愛のない話からも

 保育のヒントを得ることも多い


 情報収集…年長組以外にも

 役立つ内容が盛りだくさん


 幼稚園に帰って他の先生方への

 研修で得た事項を共有する



 懇親会の場では

 プロダンサーの肩書きを持つのんにも

 質問が殺到


 他園の先生方も興味津々…

 芸能人と会ったことがあるとかないとか

 受け応えも大変そうだった




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




「それじゃあ アミ先生・のぞむ先生!

 明日 駅で待ち合わせってことで…」

「10時にね!」

「お疲れ様でした!」



 俊先生は友人に会う約束があると言うので

 途中で別れた




 私の横をボディーガードの様に

 キョロキョロと

 周辺を気にしながら歩いている



「…何してるの?落ち着きないけど?」


「え?…いや、別に…」


「プロダンサーだから パパラッチとか

 狙ってるかもね(*´艸`*)アハハ!」


「おおー!撮ってくれ 撮ってくれ!

 が俺の相棒だって自慢してやる!」



 グイッと私の肩を抱いて言った



って、またモノ扱いするっ!( -₃-)ムー」




 マサ先生が 言っていた

 "もし再会したらどうするのか?"と

 のんに脅したと…




「もしかして…再会を心配してるとか?」


「…まぁ、気をつけることに

 越したことはないだろ?」


「…どうせ また

 置いていくんでしょ!?」


「…だ、だからごめんてぇ(>ㅿ<;;)」


「(´▽`*)アハハ…反省しなさい!」


「…はい」




 置いて行ったことは

 相当 後悔してるようだ



「ところでのんは今日 どこに泊まるの?」


「え?アミと一緒に寝るから

 部屋はとってないよ」


「は?無理だし!!」


「くっついて寝れば問題ない!」


「はぁ~(。´-д-)何考えてんの!

 信じられない…」


「ハハッ!嘘だよ!

 同じホテルで別部屋を

 佐藤事務長が予約してくれたよ…」



 ここへは 仕事で来てるの!

 公私混同はダメです!…


 なのにこっそり

 私の部屋に来たのん





 安心してください…

 追い返しましたから!




「(´-ε-`)チェ~真面目か!」


「当たり前でしょ!」



 バタンッ!!!!

 扉を勢いよく閉めて 鍵をかける!



 ── ガチャリッ!!!


「あ!おぃ!鍵閉めたなっ!」




(*°∀°)・∴ブハッ!!w



 まぁ…研修から帰ったら

 言うまでもなく…



 白目になるまで

 抱き潰されましたけど…(*꒪⌓꒪)




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 卒園式が

 ジワジワと近づいてくる



 年長組は

 卒園式で行われる

 証書授与の作法や

 式で披露する合唱の練習等に精を出す




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆






「ダメ…っ…」


「っ…!まだ…」


「うっ…」


「ち、ちょっと…!」


「はぁ…っ」


「早いっ!…」


「無理っ…」




「早いってばぁ!ゆう先生ぇ!」


「だから…ダメなんだって~!(´⌒`。)グスン」


「マサ先生っ!…何したの?!」


「カナ先生!僕は何もしてないです!

 ゆう先生が もう泣いてるんです!」


「(*°∀°)・∴ブハッ!!w な〜んだ!泣いてたの?」


「無理…(´・-・̥`)」


「式の本番を想像すると恐ろしいなぁ…」




 ゆう先生は 年長組のクラスから

 時より聞こえる卒園ソングに

 目を潤ませてるのでした…




 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜





 月日は流れ…

 いよいよ 卒園式当日



 司会は 事務長 佐藤俊夫先生




 入場曲に合わせて 鳴り響く拍手の中

 卒園生が綺麗に整列して

 背筋を伸ばし

 お遊戯ホールに入場してくる



 私語は慎み 練習通り整列して席に着く

 さすが 年長さん!





 卒園証書授与…


 卒園クラスの担任はスーツに身を包み

 登壇する卒園生の名前を呼ぶと

 園児は大きな返事をして

 保護者が見守る中 ステージに上る



「卒園おめでとう!」

 園長先生が言葉を添えながら

 証書を手渡していく


「ありがとうございますっ!」


 お辞儀をすると

 回れ右…



 ステージ真ん中の階段から降りると

 決められたところに着席

 卒園生全員が証書を受け取るまで

 静かに待つ



 "立派に成長したところを

 保護者の皆さんに 見てもらおうね!"



 式の前に さくら組のみんなと約束した




 。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆




 証書が2クラス全員に行き渡り

 最後の園児が椅子に証書を置くと

 ピアノの前奏が流れる



 卒園生全員が一斉に起立すると

 保護者席に体の向きを変えた

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