第24話 止まらないアーサー殿下
アーサー殿下は目の前で私がアラン様にキスをされたことが相当
「次はアランとクラースをどうすべきかだ……。彼らは騎士科の中でも非常に優秀なのに、あんなことをしてしまうとはもったいない……」
殿下はそう言って頭を抱えている。
「優秀……そうなんですね。私、彼らを見ていて気付いたことがあるんですが、彼らはきっと……恋人同士なんだと思います」
「何!? 男同士でか!?」
私のその推測にアーサー殿下は今までにないほどに目をまんまるにしていた。
「男同士の恋愛って、女子の間では結構人気があるんですよ。もちろん全員がそうじゃなくて嫌悪してしまう人もいると思いますけど……。だからこそ、彼らのルートはこんなにも難しいんじゃないかと思うんです」
「なるほど、そういう発想にならなければ見つけられない正解ルートがあるということか……」
切り替えの早いアーサー殿下。さっきまであんなに驚いていたのに、さすがです。
「そうです、なのできっと彼らは正解ルートを選べないと、家の爵位が剥奪される覚悟で暴挙に出るんだと思います」
「貴族でなくなれば自由に恋愛ができるということか……?」
「おそらくは」
「そうか……そういうことか……」
アーサー殿下は再びうーんと考え込む。
「彼らの家の爵位も保ったまま、彼らを一緒にいさせてあげることができればいいんですが……」
「できるかもしれんな」
「え、本当ですか!?」
「お前の実家の時のように俺の権力を振りかざしてしまう感じになるかもしれんが……きっと俺が第二王子の立場にあるということは、それをバンバンに活かしていけということだろう」
殿下の瞳に再び闘志の炎が宿る。
「殿下……頼もしい限りです」
「お前と一緒になるためだ。使えるものは何でも使ってやるさ。それに、これは俺の騎士としての将来のためでもある。そうと決まれば早速行動だ」
「はい!」
「彼らはいつもランチ後の昼休みを屋上で過ごしているようなんだ。7日後の昼休み、ディアナも屋上に来てくれ」
「えっ、私も行っていいんですか?」
「あぁ、お前も来てくれ」
「分かりました! 7日後、必ず行きます!」
アーサー殿下は何を考えているんだろう? きっと彼のことだから、素敵にバーンと解決してくれるはず。そんなワクワクを胸に、私は授業登録のため寮の自室へと戻った。
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