第21話
母親視点
最近息子は明らかにテンションが低い、笑顔を振り絞っているような感じだ。
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私は勇者のことを愛してる。勇者は超がつくほどの不器用で頭も悪い。けど素直で真面目でとっても優しい子どもだった。駄目なところも愛着が湧くし、そこ支えてあげたくなるような子どもだった。
けどそんな勇者に最近は寂しさを感じていた。勇者はその真面目さ故に頑張りすぎてしまう。だからほぼの時間を勉強に使ってしまうせいで、私と関わる時間が少ないのが寂しくなる原因だった。母親だからこんなことは思わないで応援するべきなのだろうけど、少しはもう少しはサボっても良いと思った。
それに勇者には現実を知って欲しかった。現実は厳しい、勇者じゃなくてもどんなに勉強をしてもそれがわからないまま人だっている。無駄とは言わないし、頑張った証はあると思うけど、その頑張りすぎる時間をもう少し私達との時間に使って欲しかった。
だから私は冷たく当たってたが、勇者はそれでも諦めなかった。私の言葉だって真剣に受け止めて、真っ直ぐに自分は頑張りたいと言ってくる。さらに勇者のことをとても大切に思ってくれている幼馴染まで現れてしまった。
私が勇者にする態度はより悪化してしまう。
ずっと私は勇者が勉強を頑張って欲しいの気持ちと頑張って欲しくない気持ちに葛藤した。
そして受験を受けると言い出し、私は受験は許可したが素直に応援できなかった。
私はそして、後悔する。
いつも旦那に言っていた。
「受験に落ちても、また受ければいいと」
あの言葉をなんで息子には言えなかったんだろうか。
そのせいで息子は夢をあきらめてしまった。
思い出すと私は息子を責めるばかりで、褒めることとかほぼ出来てなかったことを思い出す。その役目は全部幼馴染がやってくれると、
葛藤して常に矛盾してる中途半端な私のせい、息子は傷ついてしまった。
今更自分やっていたことが息子の否定だけだったことに今更後悔していた。
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