ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~

テツみン

第一章 ちょいと寄ってく?

第1話 仕事帰り

 東京大手町――


 言わずと知れた、日本経済を支える世界有数のビジネス街。


 最近、この地で世間を騒がした大きな出来事があった。それは――


 『地球上初、本格ダンジョン、通称――ちょいダン――。東京大手町に出現!』


 こんな広告がさまざまなメディアに登場したからだ!


 これは、大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが、という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく――そんな日々をつづった物語である。


 *


「ふう、久しぶりの本社勤務はさすがに緊張したな……」

 今日から配属することになった食品事業部戦略室のオフィスを出たところで、そんなふうにつぶやいてしまった。

 クセ毛の黒髪をきながら、エレベーターホールへと向かう。


 根津ねずタカアキ――それがボクの名前。商社最大手、四角よつかど物産の社員で、フィリピン支社から三年ぶりに本社勤務となった。


「よう根津、の空気はどうだ?」

 そう声をかけてきたのは、茶髪のイケメン。名前を戸越とごしレンという。入社以来、本社で働いているボクの同期だ。


「物騒な言い方をするなよ。フィリピンは島流しの場所じゃないんだからな」

 そう、ツッコミを入れる。


「ハ、ハ、ハ。そりゃそうだ。とにかく、おつとめご苦労さまでした」

 そう言って、戸越は直立姿勢から礼儀正しく頭を下げた。


「ボクは、どこぞの若頭わかがしらか?」

 そう苦笑いする。まあ、こうやって初日から声をかけてくれる同期がいてくれる――というのはウレシイことだ。


「それじゃ、出所祝いにと寄って行くか?」

 そのフリはいつまで続くんだろう――と思ったが、これ以上ツッコミを入れたら負けのような気がして、口にはしない。


「まあ、そうだな――よろしくたのむよ」

 大手町で飲むなんて、久しぶりだ――新人研修以来だろうか……


「よし、さっそく行こう!」

「だけど、この時間だと、まだ開いている店は少ないんじゃないか?」

 そう心配するのだが、戸越は「二十四時間営業だぞ」と言った。


 二十四時間営業の居酒屋? そんなモノもあるのか――


 コロナ以降、都内でさえ飲食店がいくつも閉店している――と聞いていたのだが、案外、景気のイイお店もあるんだな――なんて考える。


「ところで、久しぶりの本社はどうだった?」

 戸越にそう言われて、「まだ何をすればイイのか、まったくわからないよ」と素直に応える。


 実際、室長から「今日は机の上の整理でもしていればイイから」なんて言われた。もちろん、移動初日では整理するようなモノさえほとんどない。パソコンを立ち上げて、フィリピンからの旅費精算を終わらすと、もうすることがなくなった。おかげで、午後は『ヒマ』という苦痛との戦いである。

 海外支社での気の狂いそうな忙しさから一転。このギャップにカラダと精神がついてこない。


「ハ、ハ、ハ――まあ、オマエのことだ。すぐにイヤというほど仕事が舞い込んでくるさ」

 それはそれでカンベンしてほしい。


「さあ、着いたぞ」

 四角物産本社ビルの地下一階から直接地下街に出て、歩くこと二、三分。戸越はとある入口の前で止まった。


「――えっ? ここって居酒屋? それとも、コンセプトバーというやつか?」


 そう言ったのは、その入口が想像していたモノとあまりにもかけ離れていたからだ。

 飲食店というより、洞窟の入口――ゴツゴツした岩の真ん中に人が通れるほどのスペースがある。


「おい、何を言っているんだ? ココは『ちょいダン』だよ」


「――――――――?」





***************************************

みなさん、おはこんばんちは! (このあいさつを知っている人、どれだけいるだろう――鳥山先生、素晴らしい作品、ありがとうございました!)


『ちょいダン』始まりました!

この話は読者のみなさまに、『ちょい』と読んで、冒険気分を味わってほしい――という気持ちで書いています!


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「こんなのを『ちょいダン』に実装してほしい!」なんてのを待っております!

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あからさまなご批判はちょっとごカンベンですが💦


みなさんで、楽しい『ちょいダン』を作っていきましょう‼

よろしくお願いします!


令和六年六月二十八日 作者

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