第16話 ヤンデレ、お寿司を食べる。

「近いところにお寿司屋さんがあるって良くない?」


「そうか?」


「私魚好きだから。肉より魚派だから。」


「悔しいけど俺も肉より魚なんだよな。」


「相性バッチリ!」


「だから言いたくなかった。」


「しかもここガチャガチャがあるとこじゃん。楽しめるね!」


「楽しめるか?」



席についた杏はすぐさまゲームしますのボタンを押す。そこまでしてしたいかね。


「さて何食べる?一番目って困らない?」


「困らないけど。流れてきたヤツ食うだけだし。」


「え、大河は何でも食べれるの?」


「まぁ一応。」


「ゲテモノでも?」


「まず商品になってる時点でゲテモノではないから大丈夫。」


何て話をしながら1皿取る。


「あ、エビアボカド。私も欲しかった……」


「あ?ならやるよ。俺マグロ来たしそっち食うから。」


「え、優しい。流石夫。」


「夫言うな。違うから。」


「でも優しいのは変わらないね。」


「変わらないねって………いつの時と比べてんだ?」


「え?………あーもちろん。もちろん。江戸時代の時だよ!」


「ふーん。あっそ。」


違和感は感じるが追求しないのが一番だろ。そう思い寿司をただただ美味しく食べた。




「お腹いっぱい。」


「だな。もう会計でいいか。」


「あ、そうだね。じゃあ割り勘………」


「めんどくさいから俺が出す。」


「へ?」


「俺が食ったんだよ。ほぼ。だから俺が出す。お前はついでだ。」


会計に行きながら大河はそう話した。





「やっぱり変わってないや。あの頃から。あの時から。何にも変わってない。だから私は………」

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