まゆこ二十六歳

ふくらむ:あくび

雨がまるくなった気がした

私たち

忙しくて

すべての明かりを透明にする


体が破裂する音がうるさい

舌が飛び出て

何か危険なことを言いたがっている

悲鳴を寝室に置いたら

勝手に自転が染み込んだ

心を暗い所に置いても

もちろん

いいよ

普段の何倍も

私の体は膨らむようになって

目を閉じ

少しずつ記録を追いかける

皮肉を巡らせれば

体には汗

朝の処理場は

頭の奥の真っ黒

熱の匂いに縋り

静けさを汽水すれば

間違いのように

長生きはできない


私は私を知らず

曖昧な部外者として

息をしている

今日は明るくて

一粒のまばたきも

閉まりきらない

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