暗がりに叫ぶ・6

マフユフミ

第1話 奇跡


僕たちはいつの間にか

代わり映えのない日常を

毎日ふらふら歩いていて

飽きるほどのいつも通りを

何度も何度もくりかえす


でもその中で

時に奇跡と出会うこともある


たとえば重い灰色の雲が裂けて

光が差し込んで来るとか

たとえば流れる川の水面に

絶えず波紋が広がっていくとか


なんてことない景色

そして特別な景色


そんな眩い奇跡があるから

僕たちは歩いていけるのだろう

代わり映えのない日常の中

密やかに息づく奇跡を

お守りみたいに胸に抱いて





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