第15話 花との残された時間

毎日が楽しく過ぎるそろそろ9月も終わりに近づいた頃。


10月になればもう最終審査か、、、もうすぐだな、、、

最終審査もファンによる投票が行われる。

ファン投票の審査結果で新グループからデビューできる11人が決まる。

これに受からなければみんな普通の女の子に戻ると同時に、もう二度とSNSで絡むことはできないだろう。

すなわち合格できなかった子とはサヨナラを意味する。


頭ではわかっていた。最終合格発表が近づくにつれ、たとえ合格しても逆にオーディションに落ちてしまってもどちらにせよもうSNSで絡むことはできないことに。

でも心は、、、そうはいかない

ここまで来ると、いちファンというよりも、一緒に戦って来た仲間。

いや仲のいい友達って言ってもいいくらい仲良しだ。


はぁ…もうこのまま時が止まればいいのに。合格発表なんてずっと来なければいいのに、、、それはこちらの考えであってあの子達の目的は自分たちがアイドルになってデビューすること。

それを夢みてここまで頑張って来た子達なのだ。

だから彼女達とやり取りできなくなるその日その時まで精一杯応援し、いっぱいお喋りしよう!!

こちらが不安な顔を見せれば候補生達にもそれが伝わってしまう。

そんなことになれば彼女達のモチベーションを下げることになりかねない。

俺はこの頃から刻々と迫る合格者発表に不安と心配で押しつぶされそうになりながら、いつも通りの俺でいよう。俺はそう思った。


そんなある日

真希ちゃんのトゥイート

『今日の私のお昼ご飯はオムライスです🐣

皆さんは何を食べましたか??

残り半日頑張りましょう~!』


すると花子が

『花の分は|*'꒳'*)チラッ?』


『花には今度作ってあげるね🐣🤍笑』


こんな微笑ましいやり取りがされていた💡真希ちゃんは花のお姉ちゃん的存在だ( *´︶`*)


そこで俺も入っていって

「┃ω・๑)ジィー」

と覗いてみた


真希『あ、ryoさんもオムライス食べたいんですか?🫢笑

では花と半分こで🐣🍅✨』


亮「うん!(゚ー゚)(。_。)ウンウンスペシャル!

やったー!

でもあの食いしん坊の花子たぶん半分もくれない。゚( ゚இωஇ゚)゚。」


すると

花『全部私が食べちゃいます(º﹃º )』


亮「ぜ、ぜ、全部?Σ(゚д゚;)

マキちゃ~ん…(´;ω;`)」


😹😹😹✨

真希『花子!半分こって言ったでしょ!

プリンももう食べたでしょ!!(?)』


へーだ😳花子のやつ真希お姉ちゃんに怒られてやんの~( -𐃷-)ベー


今日も今日とてみんないつもと変わらない時間が過ぎていく。

この時間が終わってしまうなんて本当に考えられないくらいに楽しくて、面白くて。

幸せな時間だった(*˘︶˘*).。.:*♡


そんな中

候補生たちのアカウントがシャドウバンになってしまうというアクシデントが起こる。

ファンのみんなは

「候補生のトゥイートが見えない😣」

「どうやったら見えるようになりますか!?」

などすごい騒ぎになっていた。

もう応援できる時間も少なくなっていってるのにここに来てそれは辛すぎる💦💦

ただ1部の人は見れたりするようで、その方が『いいね』なり引用リツイートだったり、そのトゥイートに対してなにかアクションを起こせばこちらも見えるようになるようだった。

俺は多くの候補者と3日から5日絡むことが出来なかった(´;ω;`)


すると久々の通知音📱🔔´-

ティローン♪

「あ!マリーだ!!」

マリーのトゥイートを見てみると

『おはよう☀️

シャドウバン直った?!?!?

よかったーー😭😭😭😭

とりあえずいいねしまくるの控えます、、、、、』


「直ったっぽい🙌🏻」


『よかったー!!!😭😭🫶🏻

普通に会話できる喜び、、、』


ほんとよかった😭

この事件があってから候補者達のひとつひとつのトゥイートの大切さが身に染みてわかった。


ネエちゃんもシャドウバンが直ったようで

『おはようございます!

ココアちゃんとやっと撮れたよ💖あ~~癒し

妹のようになついてくれて、「ネエちゃん」って呼ばれるたびにニヤニヤしちゃう笑

身長差なんと20センチ、、!😳ちいかわ』

とココアとのツーショットを載せた📸


久々にネエちゃんのトゥイートが見れて俺は嬉しくて

「おはようございます😊

可愛い妹羨ましい!

ということはやっぱり『ネエ(姉)ちゃん』🤣」


『姉ちゃん⬅これはRYOさんが発端なのでは~?😂』

ニックネームが『ネエ』なのをいいことにネエちゃんのことを俺は姉ちゃん姉ちゃん♪と日々いじっていたら、いつしか他のファン達もネエちゃんのことを「姉ちゃん」と言うようになっていた😁


「またぁ~( ≖ᴗ≖​)

そういうの全部俺の仕業にするんだから~笑

でもマジメにそうかも🤣🤣🤣

じゃあさ!マリーちゃんのISSAはネエちゃんが発端ってことにしといてくれる?www」

マリーがイケメンすぎて、いつからか俺はマリーのことをDAPUMPのISSAさんに似てると言うようになった。

そしたらそれが候補生たちの中で浸透してしまって候補者達の中でマリーはISSA似ということになってしまったのだw

俺はその罪をネエちゃんにかぶってもらおうとしたw


『マリーのも発端はRYOさんです、🤗笑』

と笑顔で答えるネエちゃん笑


そこですかさずマリー登場ーー!!

『RYOさん、私は覚えてますからね、、、?????????????😟😟(怖)』


思いっきりガンくれられてる~🤣💦

俺は(。•́ - •̀。)シュン…となるしかなかったのであるw


その頃からはやり取りができる時間ももうあまり残されていないのと、シャドウバンで応援ができなかったことも重なり、今日はいつも以上に候補者達のトゥイートに反応してしまう。


そんな中の真希ちゃんのトゥイート

『今のニックネームで呼んで頂けるのも、どんな結果になろうとあと2週間になると思うと少し寂しいです。

写真は合宿から同部屋だった花と☕️この日の服の色が似てていい感じでした🐋🤍

それでは皆様、おやすみなチャイ🌛』

という真希ちゃんと花のツーショット📸をトゥイートしていた。


真希ちゃんもSNS審査の終了がもう2週間に迫っていることを寂しく思っているようだ。

俺はあえてそこには触れず

「花子とマキちゃんのツーショットだ~!✨

マキちゃんこれ保存してもいいですか?🥹

おやすみなチャイ🌙✨」

とリプした

『ryoさん!特別ですよ~😎✨笑

おやすみなチャイ!』


「あっざっす‼️┏○ペコッ」

と返す。

たまに出てくる『チャイ』は花子がよく語尾に付ける言葉で、花子本人と花子が絡む話の時にはメンバーも気に入って使っていた。



あと2週間かぁ。はぁ…ちょっと既に喪失感にも似た感覚に陥っている。

でも、やり取りができなくなってもアイドルになれば応援の形は変わってもメディアでずーっと見守れる。

テレビやラジオ、雑誌、街中のポスターなどでこれからもずーっと元気な姿が見られれば満足だ。

もうこうなってくると安否確認に近い笑



そして最推しの花も

今日はインスタライブをするようだ。

動いてる花を見られるのはありがたい🥰


『おはようございます☀️

花です☺︎︎︎︎✨️

アルバイトに行ってきチャイます✨

本日もインスタライブやろうと思っているので見ていただけると嬉しいです☺️』


「おはようございます☀

アルバイトにいってらっチャイ😁

今日もインスタライブにおじゃましチャイたいと思います😆」

俺はそうリプを返した

『RYOさんおはようございます!☀️

嬉しいです😊

張り切りチャイティーヨ😆です!』

くぅ~(*>ᴗ<*)💓‪花子の張り切りチャイティーヨがいただけるとは😆

もう嬉しくって嬉しくって、夜が楽しみで仕事もいつも以上に頑張れた💪


そして夜🌃花子のインスタライブを今か今かとスマホの前で待っていると

ティローン♪📱🔔´-

花子のインスタライブが始まった🥰

『こんばんは~😊』

可愛い花子が画面の向こうから手を振っている✨

ライブ配信に慣れてないためか緊張しているようで画面の向こうで固まっていたので

「僕が何型か当てて💡」

とコメントしてみた。

すると花子は少し困った感じで

『え~💦何型だろう??💦』

あれ?この質問まずかったかな💦

前に花子が

『私血液型当てるの得意なんですよ💪』ってDチームのライブ配信で言ってたのを覚えていたからしてみた質問なのに笑


すると

『B型!当たってますか?』

と花子が答える

正解である😳さすが当てるの得意と言うだけある👏✨


『え~何話そう💦どうしよう~』

それを見たファン達が色々質問したり近況を話したり楽しくサポートしてあげてインスタライブは盛り上がっていった😊

やっぱりファッションの話題が多かった🧥

ファッションに目覚めたきっかけとか、どんなお洋服を作ったりしているかとか。

あとはオムライスの話も多かったかな🍅🍳🍚

花子と言えばファッションとオムライスである。

『この前真希ちゃんとウミちゃんと~リエちゃんと私でコンタクトレンズの度数いくつ~?とか話してたんですけど👀』

って花子が言うので

「どこ中?とか?」

って聞いたら

『どこ中?ってヤンキーみたいじゃないですか🤣🤣🤣』

って花子が笑った顔がめちゃくちゃ可愛かった🥰


そのあと夜も更けてライブが終わりに近づいた頃。

『もう次の投票で最後になるんですけど、このオーディションが4月に始まって今9月だから、、、ほんともう今年はこのオーディションに全てをかけてきて…初めは顔出しするのも不安で怖かったんですけど、、、こうやっていっぱいコメントくださったりして、すごい嬉しかったです、、、なんか泣きそうになっちゃった🥲』

花子は大きな瞳に目いっぱいの涙をためながら

『ヤバい!1人で泣いてやばい人みたい💦ごめんなさい🥲正直不安の方が大きいんですけど、、、投票していただけたら嬉しいです』

それを見て俺も涙が出てきた。

花子と離れたくない🥺

『とりあえず7日までは皆さんとSNSとかでお話はできるんで、、、いっぱいコメントくだチャイ🥲』

『こんな私を応援してくれてありがとうございます、、、どんな結果になってももう後悔はないので、最後まで精一杯頑張ります!』

こうして花子のインスタライブは終わった。


そして、、、ついに最終合格者発表の日があと2日に迫っていた。



第11話 最終合格発表前日

に続く。

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