第28話 魔弓の多様性
第一章
魔弓の多様性
エルは昨日使った水以外の属性も試しながら午前中の掃除をしていた。
火は恐ろしくて使えたものではないが、一度確認の意味も込めてストロングベアに、普段使っているくらいの魔力の量を込めて発射した所、火だるまになった上に周りに飛び火していたので速攻水魔法で消化した。
多分肌感覚だけど火の魔力量を上げたら爆発までいけそうな気がしない事もない。よっぽどヤバイ敵以外は封印だな。
それ以外に本日メインで試しているのが風属性だ。目に見えづらいというメリットとデメリットがあるが、自分で射線が目視できないため調整しづらい事を除けば敵にも気づかれづらく使い勝手も良い。
気◯斬と同じように風魔法の習熟度か魔弓の習熟度が上がれば風の矢自体を操る事も可能だろう。
土の矢は他の属性よりもSTRが要求されているように感じる。そもそも他の属性よりも引く時に違和感を感じる上に、飛距離がとても短い。だが、当たれば唯一の物理ダメージとして大きな期待ができる。
光と闇に関してはよくわからないが答えだった。ダメージは入っているが効果があるのかないのかいまいち分かりづらい。
ゲーム的なメタ思考をすると光は闇に強く、闇は光に強いから相性の問題か?
それに光はバフを乗せられるし闇はデバフをかけられるはずなのでそこら辺の魔法を覚えたら矢に乗せてみたいな。
浅い層で中層の敵相手に試し打ちを終えたので魔弓をリリースして魔斧をサブのまま腰に下げ、メインは魔剣を装備する。
魔弓顕現lv2(16/200)
原初の弓lv2(3/200)
第二の弓
ボーナス 器用さup(小)
アーツ取得率up(極小)
弓の新しいパッシブはアーツ関連の様だ。この調子なら斧はアーツ習熟度upだろうな。
スキル習熟度と取得率が上がっているが心装顕現に関しては経験値の方は適用されるが習熟度には関係しないぽいな。
一般スキルは心装顕現の様にレベル制度がないしそっちに関わってくるのだろうか?
そんな事を考えながら中層へと向かっているとどんどんと昨日から感じていた圧が強まる。
このプレッシャーを放つ敵は下層あたりにいそうだな。
「なんだ!」
魔力探知に引っかからずに気配だけ感じたので背後を振り向くとシャドウウルフが襲いかかってきていた。
必死に横っ飛びすると先ほどまでいた場所にシャドウウルフが立っていた。
もし気づくことができなければ今の攻撃で俺の命は終わっていただろう。
「はっ!クソッタレが!これが下層の敵!」
悪態をつく事で精神を落ち着けながら他にシャドウウルフがいないか注意深く気配を探る。
勿論魔力探知も切らさない様にしているが、どこまで当てになるのか…
ゲームではシャドウウルフはウルフ系統でも上位に位置する闇系統のウルフ。
自分の魔力を消していたのは隠蔽能力からだろう。
っと、そんな事を考えさせてくれる暇はない様だ。少しでも選択肢を増やすために斧を消して片手魔剣で戦う。
絶対に奴から視線を逸らさない様に気をつけながら牙や爪の攻撃を打ち返したり逸らしたりする。
こちらからも攻撃を入れてみるがあまり効果がある様に感じられない。
「魔装化!」
魔剣を光属性へと変化させて相手の攻撃に合わせてみる。
ギャゥッ
先ほどとは違ってわかりやすいほどダメージを負っている。それに、隠蔽が消えた様で魔力も感知できる様になった。
「ここで畳み掛ける!」
相手への牽制でライトを無詠唱で俺の後ろで発光させる。
シャドウウルフはそれを嫌がるそぶりを見せている。
その隙を逃す事なく、前へ跳躍し思いっきり身体の状態を後ろに捻り、勢いよく解放して横凪に回転切りをする。
手応えあり!
ドサッ
俺が地面を踏み締め体勢を整えると同時に後ろからシャドウウルフが倒れ込んだ音がする。
周囲への警戒を切らさずにじっとしていても特に問題がなかったのでそのままシャドウウルフに近づいていくと息絶えていた。
順当に行けば盾を強化すべきだがアーツ習熟度はそもそもアーツがない今必要ないので魔剣に魔石を食わせてみる。
心装顕現→ 魔剣顕現lv2(30/200)
原初の剣lv2(10/200)
第二の剣
経験値は5上がった様だ。まぁ、妥当なラインだろう。下層の敵相手は今までの敵と違って体力も食うし、身近に死の危険を感じてる。
だが、強くなっている実感はあるし戦闘する時のワクワクは堪らない!
「盛り上がってきたぞ!」
シリアスな場面だというのにニヤける口元を抑えられずニヤニヤしながら次の獲物を探しに走り始めた。
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