第2章「第一の街 ライデン」西暦2037年9月16日
第17話「起・チュートリアル終了」
〈過去に戻って誤差修正Lv1〉
本来迷子の時に使うべき、
「……、……。」
〈リュビアー大陸、第三休憩所、憩いの洞窟住居『スヤリ』、ビルド工房拠点〉
「いや強くね?」
ビルドの第一声がまずそれだった、強いには強い、だがメインスロットに入れるかは微妙なラインだった。扱いが難しすぎる。オーディン・ステラ・エイティーンはいなくなっていた。「私もここまでかな……」とサキは呟きを零す。
「え?」
「お別れってこと、最前線に戻りたくなったんだ」
なんか知らんがサキのやる気に火がついたらしい。よかった、それはそれとして最前線が強すぎた。サキも強かったし、オーディンも強かったし、戦空も強かった。むしろ強かったプレイヤーとしか当たっていない。ちょっと負け癖がついたかも知れない。
「じゃあ俺は、始まりの街から再スタートするよ。何かサキたちと同じ苦労をしてから、第一線に行きたくなった。まあ、たまに? 結構ビルド工房には寄ると思うけど……」
「ふふ、そう言ってもらえると助かる。じゃ、いつか最前線で会いましょう」
《ワールドアナウンス、第零陣が〈西の大門〉を通過しました! 最後の大陸〈エウローパ大陸〉へのマップが更新されました!》
「じゃあ、最後の大陸で待ってる。あんま遅いと攻略終わっちゃうかもだけどね!」
「望むところだ! 全力疾走で追いついてやらあ!」
ここで、サキとオーディン、ビルドとデストロイは別れた。
〈アシアー大陸、第一の街『始まりの街ライデン』、ビルド工房2号店拠点〉
ビルドは、余ってたお金でさっさと〈ビルド工房2号店〉拠点を作って衣食住の住を確保した。そこには、ギルド『スキルビルダーズ』の相棒というか付き添いネズミみたいな相方デストロイだけが残った。……何だか一気に寂しくなる。
「ケケケ! お前と面と向かって喋るのは初めてかもしれねーな! 何かいっつもあのサキって女が付き添ってたからな!♀」
「……まぁ一理ある、正直頼りすぎてたかもしれない」
そこは素直に認めるビルド、何だかんだで一緒に付き添ってくれるデストロイもお人好しっちゃお人好しだった。……悪魔のような相方だが。根はいい奴なのかも、いややっぱり悪いやつだ。
「じゃあ、ちょっとあたしと1戦ヤッてくれよ! 生憎あたしまだビギナークラスなんだ! スキルとかのレベル上げ手伝ってくれ!♀」
サキが初心者に教えたように、ビルドもデストロイに教える……悪くない関係かもしれないとビルドは思った。
「いいぜ、仲間のスキルも覚えておかねーとな!」
「ケケ! 仲間とか言うなよくっすぐってえ!♀」
……というわけで、デストロイのスキル探しをするために、始まりの街を練り歩く所から始まった。
デストロイのスキルチューニングの時間に入ったわけだが、現状こうなっている。
プレイヤー名【デストロイ】、ランク【ビギナークラス】。
メインスロット3/8。
〈MAXデストロイLv1U〉〈追跡Lv3〉〈瞬間移動Lv1〉
サブスロット0/0。
(攻撃技がない。いやむしろ、何で今まで最前線に来れたのコレ……?)
で、詳細を観たのが〈追跡〉スキルだけレベル3だ、何だこれ? とビルドは思って詳細を読んだら。コレはもはや、ただのストーカーじゃん……! ビックリだよ!
〈追跡Lv1〉
追跡したい相手の位置情報がマップ上で判る。
〈追跡Lv2〉
追跡したい相手の位置情報がマップで上判る。相手に気配を悟られない、ヘイト効果軽減、自分がプレイヤーとして操作しなくても〈自動追跡〉が可能に。
〈追跡Lv3〉
追跡したい相手の位置情報がマップで上判る。相手に気配を悟られない、ヘイト効果軽減、自分がプレイヤーとして操作しなくても〈自動追跡〉が可能に。相手の位置情報まで〈
〈
指定した位置までワープ出来る、テレポーテーション機能。呼ばれたら来る。
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