Sランク級の美少女幼馴染で優しいドSなお姉ちゃんが俺を2人きりで甘やかして可愛狩ってくる件

🔰ドロミーズ☆魚住

プロローグ ヒロインは幼馴染の優しいドSなお姉ちゃんです

「はい。という訳で説明してください。上手く説明が出来なかった場合、覚介くんが誤爆して私に送ってくれたラブコメを学校の皆に紹介してあげます。もちろん、実名付きで……ね?」


 俺の目の前で世界を平和にしてやろうと言わんばかりの聖女的な笑みを浮かべながている年上の幼馴染にして1歳上の異性の先輩がそんな事を口にする。


 彼女、月見つきみ詩乃うたのの瞳の奥には俺と言う哀れな獲物をいたぶってやろうという気概が見え隠れするような妖しい光をちらつかしている。


 そんな彼女の瞳を見た後に件の笑顔を改めて見直すと、世界平和を願っている筈の彼女の笑顔が別の物に見えてしまって仕方がない。


「……そ、その、だ、だから……先輩が……!」


「先輩、ですか? 抽象的な名称はいけません。現国の授業で習いませんでしたか? 会話文は『いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように』が基本ですよ? ふふっ、覚介かくすけくんはいったい誰のどんな行為を止めて欲しいのでしょう? チャンスは残り3回です……ね?」


 まるで教職員が生徒がしでかした失敗をやんわりと指摘するような声色で彼女はそんな事を口にする。


 温和な、誰もが一目惚れしてしまうような微笑みを携えながら、その瞳は実に愉快だと言わんばかりの光で輝いており、実に蠱惑的であった。


「の、残り3回……!? そ、そんなの話聞いてな……!」


「そっちの方が緊張感があっていいでしょう?」


「つ、月見先輩が……!」


「月見先輩、ですか? 何だか随分と他人行儀で詩乃お姉ちゃんは悲しいです。人の苗字を言うのも結構ですが、誰かを特定できないと名前の意味がないですよね? 残り2回。ほらほら、頑張れ頑張れ」


「……月見、詩乃、先輩がっ……!」


「うんうん。覚介くんが数年ぶりに詩乃の名前を言ってくれて嬉しいです。本当は昔みたいに詩乃お姉ちゃんと言って欲しいですけど、今回は不問にしましょう。さて、覚介くんは詩乃お姉ちゃんの何のどんな行いをどのように止めて欲しいのでしょう?」


「俺に……膝枕をするのを止めて欲しいです……!」


「ふふっ……膝枕をするのかが抜けていますね?」


「……あ」


「残り1回。最後のチャンス、張り切っていきましょう……ね?」


 全身の毛穴という毛穴から身体の熱を奪うような冷や汗が滴り落ちる。


 だというのに、自分の頭が熱に浮かされたような浮遊感で支配されてしまっており、こんな状態で冷静な判断なんてとても出来る筈もない。


 何度も深呼吸をして頭の中で文章を組み立てようとするけれども、2人きりの、鍵が掛かった個室の中で、窓さえも閉めっぱなしになったこの部室内で、目の前に余裕たっぷりに膝枕の体勢で佇む先輩の匂いが充満しているかのような錯覚さえ覚えてしまって、目の奥がチカリチカリと点滅する。


 意地悪く笑う先輩は庇護欲に駆られるような上目遣いでこちらを覗き込み、そんな先輩の美貌の下には当然ながら女性を象徴するような2つの果実がぶら下がっており、学校指定の制服の上からでも分かるぐらいの大きさを前に何度目か分からない固唾を飲むことしか出来ない。


「ふふっ。少しいじめすぎましたね、ごめんなさい。それでは詩乃お姉ちゃんが助け舟……もとい、模範解答を言ってあげましょう。覚介くんは私の後に続いて言ってみてください。『いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように』の模範的な例も出してあげますからこれからの参考にしてくださいね?」


 目を閉じながら、優しそうな笑みを浮かべながら、それでも隠し切れない嗜虐心を少しばかり醸しながら、俺を遠慮なく全力で追い詰めにくる先輩は桃色の唇から鈴を転がすような声色を発してみせた。


「放課後。鍵を閉めて誰も入ってこない2人きりだけの読書部部室の中で、覚介くんが大好きな詩乃お姉ちゃんが、覚介くんの視界を覆い隠してしまうぐらいに大きな胸を見上げられるようなとっても気持ちいい膝枕を、されたらとっても気持ちいいだろうけれども恥ずかしいので、止めて欲しい」


「……っ」


「どうかしましたか? 事実、ですよね?」


 否定、できない。

 だって、本当にそうだったのだから。


「さぁ、例文を言いましたので、今度は覚介くんが言う番ですよ? もちろん、例文通りに言わないと駄目です……よ?」


「……放課後……! 鍵も閉めて誰も入ってこない2人きりだけの読書部部室の中で……!」


「うんうん。私と覚介くんだけの空間ですね」


「……俺が大好きな、詩乃……お姉ちゃんが……!」


「ふふっ、それで?」


「……俺の視界を……覆い隠してしまうぐらいの大きな……む、ね……を見上げられるような……とっても気持ちいい膝枕、を……!」


「頑張れ頑張れ」


「……されたらとっても気持ちいいだろうけれど……とっても恥ずかしいから……!」


「どうして欲しいんですか?」


「……止めて、欲しい、です……」


「よく出来ました」


 ぱちぱち、と月見詩乃はよく頑張ったと言わんばかりに祝福の拍手をするけれども、それでも妖しく光り輝く彼女の双眸は未だに健在であった。


「分かりました。とってもよく分かりました。ですが、そんな事を口にしてくれた覚介くんに老婆心ながら1つだけ質問です」


 そう言うと彼女はわざとらしく咳払いをして。


「――?」











 ――あぁ、どうして俺はこんな目に遭ってしまう事になってしまったのだろう。


「おいで」


 幼い頃から逆らえられないよう、徹底的に教え込まれた俺の身体と、彼女の言う事に従ってしまう俺の頭はいつしか部室の床に正座で座っている彼女の膝に吸い込まれてしまっており、月見詩乃はそんな頭部を逃がさないと言わんばかりに両の手で優しく包み込む。


 とにもかくにも、俺は自分に言い訳をする為にも、眼前に広がる彼女の豊胸による絶景から意識を逸らす為にも、今朝の出来事を……いや、正確に言うのであれば深夜1時の出来事を思い返していた。












~後書き~

血の繋がっていない弟が、血の繋がっていないお姉ちゃんに勝てる訳がないだろ!!!


そういう訳で【Sランク級の美少女幼馴染で優しいドSなお姉ちゃんが俺を2人きりで甘やかして可愛狩ってくる件】もとい【SS】のプロローグでした。


本作を応援してくださる方や、絶対無敵最強な詩乃お姉ちゃんに優しく可愛い狩られたいと思う方々は是非是非☆やフォローを押して頂けると作者の小説活動の励みになりますし、詩乃お姉ちゃんもにっこりですんで是非是非宜しくお願い致します!

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