第20話

時は、7月27日頃であった。


あきひこがかつて働いていた運送会社が危険な状態におちいった。


若い従業員さんたちの間でくすぶっていた不満が一気に爆発するおそれが出た。


上の人たちは、若い従業員さんたちに対してごはんを温める電子レンジと温かいお茶を作る電気ポットを買うと言うたが約束をホゴにした。


いつになれば、電子レンジと電気ポットを買ってくれるのか…


上の人間は、信用できない…


他にも、待遇面に対する不満も多くあった。


そのまた上に、8割程度の従業員さんたちがあきひこのサイフをアテにしていたことがあきらかになった。


残りの2割の従業員さんたちが怒り心頭になった。


8割の従業員やつらはずるいことをした!!


絶対に許さない!!


残りの2割の従業員さんたちは、あきひこのサイフをアテにしていた従業員やつらと戦争することを訣意けついした。


その日の昼休みであった。


場所は、従業員さんたちの休憩室にて…


若い従業員さんたちは、お給料引きで注文したお弁当を食べようとしたが、弁当を食べなかった。


彼らは、お弁当の箱にふたをしたあと上の人間に対する不満とあきひこのサイフをアテにした従業員やつらの悪口をボロクソに言うた。


「もうがまんならん!!」

「ああ!!そのとおりだ!!」

「上の人間やつらは、都逃げ回っているみたいだ!!」

「ああ!!そのようだな!!」

「『電子レンジ買います…電気ポット買います…』と言うておいて実行しない!!」

「ああ、そのとおりだ!!」

「いつになれば温かいごはんが喰えるのか(ブツブツ…)」

「ああ、炊きたての温かいごはんが食べたいよぉ〜」

「お嫁さんがほしいよぅ〜」

「一生独身はイヤだ〜」

「ああ!!そのとおりだ!!」

「親会社の連中は恋愛してもいいがオレたち配送の従業員はダメだって誰が決めたのか!!」

「ああ!!がまんならん!!」

「オレたちのお給料が上がらない原因がわかった!!」

「なんだよ〜」

「8割の従業員やつらがギャンブルに使ったことが分かった!!」

「やっぱりそうだったのか!!」

「ああもうがまんならん!!こうなったら、内戦も起こすぞ!!」

「ああそのとおりだ!!」


思い切りブチ切れた従業員さんたちは、このあとより過激な行動に踏み切った。


そして、その日の深夜11時50分頃であった。


2割の従業員さんたちは、親会社の社長室に忍び込んだ。


従業員さんたちは、金庫を無理やりこじ開けたあと中に入っていた金品を強奪した。


さらに、副主任のセガレが使っている小物を置いて立ち去った。


さらにそのまた上に、エントランスホールにかざられているトロフィー類を強奪した。


そして、親会社の社名のプレートに黒いラッカーで塗りつぶした。


そこに副主任のセガレが通っているコーコーの生徒手帳を置いたあと、彼らは逃走した。


(副主任のセガレが通っているコーコーは、不良少年が多く在籍していた…彼らは、与太校ガッコーのつっぱりたちの仕業に見せるためにアレコレと工作した)


翌朝8時50分頃であった。


親会社が大規模な破壊工作を受けたことが原因で業務がストップした。


また、工場も操業がストップした。


それから10分後であった。


「ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー!!」


2割の従業員さんたちとあきひこのサイフをアテにしていた従業員やつらとの間で内戦が発生した。


2割の従業員さんたちは、あきひこのサイフをアテにしていた従業員やつらをケバ棒で攻撃した。


あきひこのサイフをアテにしていた従業員やつらは、ケバ棒の攻撃をシツヨウに受けた。


『ふざけるな!!』

『人のサイフをアテにしてギャンブルを楽しんでいたのか!?』

『お前は主任とどう言う関係があるのだ!?』

『許さない!!』

『ぶっ殺してやる!!』


あきひこのサイフをアテにしていた従業員やつらは、2割の従業員さんたちによるケバ棒攻撃を受けたことにより、半数近くが死亡した。


問題の副主任も、2割の従業員さんたちによるケバ棒攻撃を受けて亡くなった。


今回の内戦で職場が甚大な被害を受けた。


2割の従業員さんたちは、怒りのほこ先を親会社に向けるために次の戦闘に備えるために防備を整えた。


さて、その頃であった。


ところ変わって、横浜市内にある多香子の実家にて…


多香子が、だらしない格好で居間にやって来た。


多香子は、ブラジャーをつけていない乳房の上から白のブラウスをはおってボタンを止めずに広げてへそ出しにして、黒のショーツを着た状態であった。


母親は、怒った声で多香子に言うた。


「多香子!!だらしない格好で家の中をうろつかないでよ!!」

「うるさいわね…アタシ…頭が痛いのよ…」

「多香子!!」

「なによ!!」

「50が近い女がだらしないカッコウをしないでよ!!」

「ほっといてよ!!…アタシはもう…サイコンなんかしないわよ…男なんか大キライよ!!」

「困ったわね…おとーさんとおかーさんは老後を楽しみたいのよ!!」

「あんたが言う老後なんかあるわけないわよ!!バッカみたいだわ!!」

「多香子!!」


母親に対して冷めた声で言うた多香子は、台所に入った。


多香子は、冷蔵庫の中から白のペットボトルのジンロマッコリを取り出した。


ふたをあけたあと、そのままごくごくとのんだ。


多香子は、全身をブルブルと震わせながらつぶやいた。


なんなのよもう!!


おとーさんとおかーさんが言う老後の意味がわかんないわよ…


「キーッ!!」


思い切りブチ切れた多香子は、両手で髪の毛をグシャグシャとかきむしった。


もうダメ…


アタシ…


パンクしそう!!


もうダメ…


もうダメ…


もうダメ…


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