第3話
「おっ、元の場所に戻って来たな」
光が収まり、元の廃屋となっている場所に戻される。上着に包まって一緒に戻った呪殺犬はどうなったかと言うと
「「「、、、zzz、、」」」スンスン
俺に抱かれたまま気持ち良く眠っている
「この犬ッコロが、幸せそうに呑気に寝やがって。まあ、これから俺の相棒になるんだから、大目に見てやるか。さてと、今の時間はっと」
メニュー画面を開き時間を確認する
「やべっ、そろそろ一旦ログアウトしないと。時間を守らないと姉さんが煩いしな。ほんじゃ、一旦サラダバー」
メニュー画面にある、ログアウトボタンを押して一旦現実世界に戻る
「おし!時間はまだ大丈夫だな。ほんじゃ、夕飯を食うか」
現実世界に戻り、ヘッドギアを外し少し伸びをしながら、FGEOで次は何をするか考えながら、夕飯を食べる為に居間に行く
「んーー。次にログインしたら、先ずは称号の確認と、ワンコの名前を付けてから、チュートリアルを受けるか。ああ、後はワンコのステータスって見れるのか確認もしないとな」
独り言をブツブツ言いながら居間に着く
「あれ?つー君、今日は早く下りてきたね。もう♪そんなに、お姉ちゃんと一緒に居たいなら言ってよ♪」
「いやいや、早くって言っても、ほんの1、2分程度じゃん。それに、姉さんとは毎日会ってるでしょ」
「もう、つー君は女心が分からないんだから。そんなんじゃモテないぞ」
「それは関係無いと思うけど」
「つー君はお姉ちゃんが養ってあげるから、安心してね♪はい、愛情タップリのカレーをどうぞ」
微妙に会話が噛み合わないが、いつもの事なので気にせずカレーを受け取り、食べはじめる。姉さんと二人だけなのを、疑問に思うだろうが、ただ単に両親は二人揃って海外出張中だからだ
「どう、つー君。お姉ちゃんの愛情カレーは美味しい」
「そうだね。カレーは美味しいよ、姉さん」
それは、家族としての愛情だよね?いくら姉さんが、ブラコンでも流石に異性としては無いと思いたい。その後も、食事をしながら会話をしていると、姉さんが椅子に置いている袋から、何かを取り出す
「じゃーん、見て見てつー君。実はお姉ちゃんも、【Freedom of Good and Evil Online】が当たったの」
「んぐっ!!」ドンドン
一体何を出すのかと思ったら、【Freedom of Good and Evil Online】のソフトだったので、驚き過ぎて口に含んだカレーを、喉に詰まらせてしまう
「大丈夫、つー君。はい、お水を飲んで」
ゴクゴク「はーー、ありがとう姉さん」
「どう致しまして。で、つー君驚いたでしょ」
「そりゃあ驚くよ。だって、姉さんは【Freedom of Good and Evil Online】に、興味なさ気だっだから」
「最初はそこまで興味は無かったけど。つー君が、楽しそうに話してくれるから、それなら私も応募して当選したら、つー君にプレゼントしようと思ったんだ」
「そうだったのか。でも、俺も今回当選しちゃったから、それどうするの?」
「お姉ちゃんも、やる事にしました。そうすれば、つー君とゲーム内でも一緒に居られるし」
「うぇ、、それ、本気なの、姉さん」
「アハハっ、冗談だよ冗談」
いや、姉さんの目が、とても冗談を言う目をして無いんですけど
「大丈夫だよ、大学の友人と一緒にやる事になっているから」
「あっ、そうなんだ」
流石に、ゲーム内でも一緒だと嫌とは思わないが、基本ソロプレイが好きだからな。姉さんの友人には感謝しないとな
「あっ、それと安心して、つー君。友人は女性だから。お姉ちゃんは、つー君一筋だからね」
「それに対して、どう返せと?」
「そこは、ほら『俺も、姉さん一筋だよ』って、言ってくれれば良いのです」
「いや、そんな事は言わないよ」
その後も、食べ終わるまで姉さんと会話を続ける
「よーし。風呂にも入って、歯も磨いた。トイレも今行ったから大丈夫。明日明後日は学校も休みだから、夜更かししても問題無し。さあ、続きを始めるか」
ヘッドギアを嵌めて、ベッドに横になり【Freedom of Good and Evil Online】の世界へ、ログインをする
「さぁーて、まずは」
「「「キャンキャン」」」バッ
ログインして、メニュー画面を開き確認をしようとする前に、呪殺犬が飛び付いてくる
「うぉっと、いきなり飛び付くと危ないだろ」
「「「クゥーン」」」シュン
「いや、怒ってる訳じゃないぞ。ほれ」ワシャワシャ
強めに撫で回すと、気持ち良さそうに寄り掛かってくる
「称号の確認からしよと思ったが、お前達の名付けからにするか。えーと、確かに報酬一覧の所に、、、あった、これを押せばいいのか?」
報酬一覧の一番上に、『従魔:呪殺犬』と『称号:呪殺王』の2個あるので、従魔の方をタッチする。すると、別画面が目の前に現れ
『従魔の名前入力をして下さい』これで良かったみたいだ
「さて、名前を付けるのは良いのだが。見た目は可愛いのだが、どうみてもケルベロスにしか見えないし、うーん困ったぞ。開き直って、もうケルベロスで良いか。お前達はどう思う?」
「「「キューン」」」ブンブン
「嫌なのか?そうすっと、ポチはどうだ?」
「「「ギャン」」」カプッ
「イタッ!冗談だよ冗談。流石にポチは俺も嫌だからな。そうだなぁ、それならメジャー所の、フェンリルの名前と合わせて『フェルス』ってのはどうだ」
「「「キャン」」」ペロペロ
「おっ、気に入ってくれたか。じゃあ、今からお前達の名前は『フェルス』だ」
名付けを終えると、フェルスは俺の腕の中から、飛び降りる。何をするのか様子を伺っていると、フェルスの体が光出す。光が収まり、さっきまでは小型犬だったのが、大型犬の大きさまで成長したフェルスが現れる
「「「主~。素敵な名前ありがとう」」」
「えっ、喋れるようになったの、、、まあ、ゲームだからそんな機能もあるか」
すると、三つ首の代表なのか、真ん中が言ってくる
「僕達も主と話せるのに、驚いているよ。でも、こうやってお話出来るのは、主の称号が関係してると思う」
「称号って『呪殺王』の事だよな。少し待ってくれ、確認してみるわ」
報酬一覧の『称号:呪殺王』をタッチする。どれどれ、称号の内容を確認してみる
【『称号:呪殺王』 称号の効果:呪いや死に関連のある装備品を装備可能。又、呪いや死に関連のあるモンスターからの好感度は最初からMAXなので、会話や従魔にする事が可能。尚、一般NPCからの好感度は最低となり、街や村等で買い物や宿に泊まる時は、通常の10倍の価格となる】
うーん。呪いの装備は、俺の職業でも出来るが、死に関連がある装備もあるのか。これは、益々装備を集める楽しみが増えたな。モンスター関連も最初から好感度MAXなら、フェルスみたいに従魔に出来るかもしれない
デメリットに関しては、宿代と道具関連は高くなるが、装備品は最初の運営の説明で、ジャンク品として売られているらしいから、他のプレイヤーと同じで適正価格になる程度だろう
「フェルスの言う通り俺の称号、呪殺王の効果で会話が出来るみたいだ。次は、フェルスのステータスを見ても良いか?」
「「「いいよー」」」
「じゃあ、見せてもらいうぞ」
メニュー画面にある、従魔一覧を開きフェルスの名前を押す。さて、フェルスのステータスは、、、、、うん、見間違いかな?目を擦りもう一度、ステータスを確認する。が、変化無し。マジで
「ぶっっっ壊れ過ぎだろーーーがぁぁ!!こんなの最初から、従魔にして良い存在じゃねえぞ」
俺が急に叫んだので、フェルスは耳をペタンと折る。その行動は可愛いのだが、フェルス強すぎだわ。フェルスのステータスを、もう一度再確認する
【従魔:フェルス】
【種族:呪殺犬】
【契約者:フーマ】
Lv:1
HP:3000
SP:500
友好度:MAX
STR:800
DEX:500
VIT:2000
AGI:1500
INT:500
MND:300
LUK:500
レベル1で、こんなにもぶっ壊れてるんだぜ。しかも、まだ続きがある
【特殊技能:呪殺ブレス・石化ブレス・灼熱ブレス】
最初から、ブレス3種持ち。レベルアップしたら、増えるのか?もしそうだとしたら、手が付けられん。だが、フェルスは呪殺犬なので、聖属性の攻撃に対して通常の2.5倍のダメージを受けるようだ。でも、このステータスだと無意味だと思うが
それにフェルスには、装備欄が3個あるので、何かしら聖属性対策の装備をさせれば良いだけだし。因みに俺の、初期ステータスはこんな感じだ
【プレイヤー名:フーマ】
【種族:人間 性別:男】
【職業:全呪統】
Lv:1
HP:30
SP:30
STR:30
DEX:30
VIT:30
AGI:30
INT:30
MND:30
LUK:30
こんな感じで、残りの振り分けられるのが、20ポイントある程度。均等振りなのは、昔からの癖だ。全ての数字が同じじゃないと、気にしちまうんだよ俺は。それで、フェルスが如何にぶっ壊れか分かったろ
「「「うー、、主~」」」💫
「悪い悪い。フェルスが余りにも凄いから、驚いて大声を出しちまった。許してくれ」
謝る俺に、真ん中から
「ビックリしたけど、主の事は大好きだから許すよ」
「おう、ありがとな」ワシャワシャ
フェルスを一通り撫で回してから、チュートリアルを受けに行く為に、歩き出す
「よし!じゃあ、チュートリアルを受けにいくか。フェルス行くぞ」
フェルスに言うと、ボンッっと、フェルスが煙りに包まれる
「おい、大丈夫か。フェルス」
「「「主ー!!」」」
煙りの中から、小型犬サイズになったフェルスが、俺に抱き着く
「ちょっ、、危なっ。っと、ビックリしたぞ、フェルス」
「さっきのお返しだよ、主」
「たく、次からは、ちゃんと言ってくれよ」
「「「分かったよ、主」」」スンスン
「はぁ、、まあ良いや。じゃあ、このまま行くぞ」
スンスン「「「、、、スヤー、、zzz」」」
「おい!、、、、向かうか」ハァ
幸せな顔して眠っているので、怒る気力も無くしフェルスを抱いたまま、チュートリアルを受ける為、目的地へと向かう
「印しは、此処で合ってるよな。、、、、、何か思っていたのと違うんだけど」
しかし、青印しは此処にある。最初は冒険者ギルドの跡地だと思ったが、目の前にあるのは教会なのだ。しかも、白さは全く無く、教会全体が赤黒い
「まあ、入ってみるか」
扉を開け中に入る
「スミマセーン。チュートリアルを受けに来ましたー」
シーーーーーーン。反応無し。じゃあ、もう一度
「スミマセーン。チュートリアルは此処で受けられるんですかー」
すると、頭上から声が聞こえる
「おや?人間の客とは珍しい。二百年振りに見ました」
声がする頭上を見ると
「、、、えっ、死神」
「ほう、私が見えるのですか。これは、面白い」
他のゲームやアニメ等で描かれる、髑髏で鎌を持った存在、死神みたいな存在が居る。これ、チュートリアルだよな?また、変な事になりそうなんだが
~後書きみたいなもの~
作中で、フェルスが会話する時「」だけの場合、真ん中が喋っている事になります
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