転生少女と学園生活3
「……なさい、起きなさいよ!」
コレットの声を耳にしたアニエスは、目を開けた。辺りを見回すと、アニエスは木で出来た小屋のような場所にいるようだ。ロープで身体を縛られている。どうやら閉じ込められたらしい。
目の前には、仁王立ちになったコレットがいる。その後ろには、ガラの悪そうな男が二人、ニヤニヤしながら立っている。アニエスを殴ったのは、この男達だろう。
「……穏やかじゃないっすね、コレット様。こんな事して、どういうおつもりっすか?」
「私があなたに言いたい事はただ一つ。……あなた、エルネスト殿下との婚約を解消しなさい」
アニエスは、溜め息を吐いた。
「私の一存でどうにかなる問題じゃないっすよ。本気で婚約解消するのなら、エルネスト殿下だけじゃなく国王陛下にも話を通しておかないと。……それに、今のところコレット様に婚約者の座を明け渡す気はないっす」
「何ですって!?」
「こんな方法でしか婚約者の座を手に入れられないような人間に、エルネスト殿下の妻が務まるとは思えないっす」
コレットは怒りに震えて唇を噛み締めていたが、やがてフッと笑った。
「強気な事を言っていられるのも今の内よ。……あなたが純潔じゃなくなったら、さすがに婚約の話は無くなるでしょう?この男達に、たっぷりかわいがってもらうと良いわ」
すると、コレットが雇ったらしい二人の男達は、アニエスの方に近付いてきた。 背の高い方の男がアニエスの制服のボタンを外していく。ブレザーの中に着ていたブラウスもボタンが一部引き千切られ、胸元が少しはだけた。
すると、コレットは急に不安な表情になった。
「……ちょっと、何脱がせてるのよ。本当に純潔を奪ったりしないでよ?脅すだけでいいんだから」
背の高い男は、コレットの方を見て鼻で笑うようにして言った。
「脅すだけで済ませるかよ。せっかく目の前にこんなご馳走があるのに。これだから何も知らないお嬢様は」
コレットは、サッと顔を青くした。
「ま、待って、やめてよ。私、そんなつもりであなた達を雇ったんじゃないの」
コレットは慌てて、背の高い男の腕を掴んだ。
「うるさいなあ。なんなら、あんたの純潔を先に奪ったっていいんだぜ?」
すると、背の低い方の男がコレットを羽交い絞めにした。
「ちょっと、何するのよ!」
「普段から貴族にはムカついてたんだ。あんたにも、ちょっと痛い思いをしてもらおうか」
そう言って背の高い男がコレットに触ろうとした時だった。アニエスは後ろ手で縛られたまま、足で地面を蹴り反動で起き上がると、背の高い男を蹴り飛ばした。男は、地面に倒れる。
「……この女っ……!!」
背の高い男は起き上がり、懐からナイフを取り出す。背の低い男もナイフを取り出した。
さすがに、手を縛られたままコレットを守りつつ、二人の男と戦って勝つのは難しい。どうしようかとアニエスが考えていると、勢いよく小屋の扉が開かれた。
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