生徒会戦挙

第35話 何か変…

　ほぼパフォーマンスに近い選挙から数日後、結果が貼り出された。

結果はやはりというもの。連続で桐生院覇那の当選である。

あんな風で負けるということがそもそも難しい。しかし、来年は

あれに挑まなければならない。ここでは圧倒的なカリスマ性と

中身を併（あわ）せ持った超人に。無策では当然勝てない。あの数人の

散っていった候補者達の仲間入りになってしまう。それを思えば、

今から準備しておくというのも、あながち尚早（しょうそう）とは言えないかもね。

　ただ、少々気になるのは票の比率。どのような場面に於（お）いても、

投票が百パーセント全部一人に集まってしまうというのはおかしい。

しかし、この掲示してある結果には堂々と全ての票が現生徒会長に

入れられたということが、目立つように書かれている。

いかに普通じゃないこの場所でも、違和感を感じて仕方がない。

　こういう確認はしっかりとしておきたい。…ところだが、前行った

選挙管理委員会は、明らかに生徒会を避けている様子。ならば、

この選挙も現生徒会の意向を汲むように、何か入れ知恵されている

のかもしれない。こちらも会ってはいるので顔が割れている。

下手に探れば、今度こそ生徒会に入る夢は消えて無くなる。

…森岡委員長なら、ちょっとは知ってたりするかな。早めに先輩と

関係を作っておいて良かった。生徒会の事に無関心で、私の味方に

なってくれる先輩。風紀委員会に入った判断は間違ってなかったかも。