炎の精

 ガスコンロの、グリルの方を開けた。

「でられん」

 炎の精が奥につっかえて困っていた。

「どうしたらいい?」

「お、なんか紙くれ」

 新聞紙をつっこむと、彼はぱっと表面を走ってやってきて、僕たちは友だちになった。

「焼いてほしい奴とか、いる?」

 炎の精はうきうきしているみたいだ。

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