第48話 日常妖怪専門家ナカナカカナです

 皆さん。

『妖怪ちんげちらし』って知ってます?

 

 家のアチコチにチン毛を撒き散らすアイツです。

 そうそう。「なんでこんな所にチン毛!?」でお馴染みのアイツですよ。

 

 一度くらいは被害に遭われた方いらっしゃるでしょう?

 

 まあウチはね……『妖怪ちんげちらし』の住処なんでね。アイツ住んでやがるんでね。しょっちゅうチン毛落ちてて、家中チン毛だらけなんですけど……

 

 ……っていうか。うーん……自分のチン毛なのか『妖怪ちんげちらし』の仕業なのか……これ区別するのって結構難しいんですよね。

 

 まあ床の上とかね。あとエロ本の間とかね。あの辺りは自分のって言われれば、それまでなんですけど……


 例えばね。学生の頃、隣のクラスの田中君に借りた辞書に挟まってたチン毛。アレは『妖怪ちんげちらし』の仕業なんですよ。

 だってねぇ……辞書で……その……ナニをするってちょっと……ねえ……考えづらいじゃあないですか。

 まあ確かにね。

 ちょっとエッチな単語に蛍光ペンで線引いてあるような辞書でしたけどね。

 え? あれでってこと!? 上級者だな! 田中!


 あとはアレですね。好きです! って告白して渡したラブレターにチン毛挟まってた中村君。

 アレなんてもう悪質極まりないですね。

 私、この時初めて『妖怪ちんげちらし』が憎いと思いましたよ。ラブレターにチン毛って……さすがにそんなわけないですからね。

 …いや、中村君は変態だったからなぁ…どうだろ。

 

 え? 私ですか? そうですねぇ……

 

 これ絶対『妖怪ちんげちらし』のやらかしや……って思ったのは……

 

 つい最近ですね。

 私ね。この間おでんを作ったんですよ。

 それで、おでんを鍋からよそって家族に振る舞ったわけなんですがね。

 嫁に渡した大根にね。チン毛が刺さってたんです。

 刺さってたんですよ。本当に。

 なんかこう……波平の頭の毛みたいにヒョロっとね。

 

 アレはねぇ……絶対『妖怪ちんげちらし』の仕業なんですよぉ……許せませんよあんなの……

 嫁は笑ってたからいいようなものの……下手したら離婚案件ですよ。まあ、今回は夫婦の絆の勝利ですね。

 

 困ったもんですよ……『妖怪ちんげちらし』

 

 ちなみに『妖怪ちんげちらし』、「チャック」って10回唱えると少し嫌な顔をします。追い払えはしないですけどね。嫌がらせくらいにはなります。試してみて下さい。

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