第24話 熊たち
昨日、シロクマと戦った。1対1で…
きっかけは些細なことで…
「足を踏んだだろ!?」とか「ナニ見てんだよ?」とか…
ようするに因縁つけられたから。
最初はやんわりとかわしていたが、シロクマの…
「アレ? オマエ胸んとこだけ白いのかよ!?」
の一言についついキレてしまい、にらみ合いになる。
ツレのジャイアントパンダ君が
「まあまあ…落ち着けよ」
と止めに入ったが。
シロクマの
「白黒は黙ってろ!!」
の一言にひどく傷ついたようで、うつむき黙ってしまった。
オレは知ってるんだ…ジャイアントパンダ君が自分の体の白黒にコンプレックスを抱いていることを…
『オレ、竹林に住んでるのに…白黒じゃ目立つんじゃね?』
周りの色にマッチしない自分の体の色に悩んでたんだ。
それをコイツは…
クマとしては比較的、温厚なツキノワグマのオレも我慢の限界
「ジャイアントパンダ君は関係ねえだろ!!」
と殴りかかった。
でもシロクマってさ…ツキノワグマのオレよりひと回り以上でかいから…
もう…ボコボコ
ボコボコ…
…
…
…
ボコボコにされてシロクマが去った後、ジャイアントパンダ君が体を起こしてくれた。
目のふちの黒いところがいつもよりさらに黒い…アザになってる…
どうやら、助けに入ったジャイアントパンダ君もやられたみたいだ…
ゴメン……ジャイアントパンダ君……オレのせいで……
帰り道、オレの肩をかついでくれてたジャイアントパンダ君が
「笹やるからさ…元気だせよ。」
と励ましてくれたが
「オレ肉食だから…」
と断った。オレ達は顔を見合わせて笑い合った。
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