第10話 おはようございますう

爺ちゃんが自室に戻ったあと、俺とチリは話し合って、今日はやめることにした。またやろうとするとファイ子がワープしてきかねない。

「裸、どうだったの?」

「ほぼ見てない。見る余裕なかった」

「……あんなのずるいよ。完璧だったし」

「ファイ子だぞ?意味なくね?」

「私、これから背伸びるかなあ」

「気にすんなって」

そう言う会話はありつつも、チリにベッドを譲り俺は布団を敷いて寝た。

明日は土曜だ。部活はある。


朝早く、俺たちは朝食を祖父ちゃんと食べると家を出て、電車の始発に乗り、チリの家に寄る。

アパートだが、室内は広くリビングキッチン風呂と併せて個室も二部屋あるチリ家に上がりこみ、リビングで、自室に入ったチリが着替えたり登校の準備をするのをを待つ。

「待ったっ?」

「いや」

などと話しながら、外へ出ると

制服姿のファイ子が微笑みながら立っていた。

「おはようございますう」

何事もなかったかのように爽やかに挨拶してくる異星人に呆れながらも、俺たちは一緒に田畑高校へと向かう。

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