夏の星々(140字小説コンテスト2024)テーマ「高」
ほしおさなえ主催・文芸創作コミュニティ『hoshi boshi』
夏の星々(140字小説コンテスト2024)
テーマ「高」の漢字を使った140字小説
(1)
二の腕をギリギリと掴まれた。太い動脈を圧迫され、ドクドクと心音が体内で反響する。緊張でより早鐘を打ったが深呼吸をし平静を装う。
しかし、冷酷無比な彼は嘲笑うように真実を突きつけてきた。
因果応報?いやいや。被りをふる。
年々高まる血圧の責任を父の遺伝子に転嫁し、私は血圧計を外した。
(2)予選通過
前世は猿蟹合戦の猿だ。蟹を虐めたから甲殻類アレルギーになった。ま、嘘だけど。
公道に、はみ出た我が家の柿の木。梯子に登る母を支える。錆びた高枝切り鋏は切れず、枝は揺れるばかり。
ベチャッ。ベチャッ。降ってくる柿爆弾。華麗なステップで避ける私。ま、嘘だけど。
私はたんこぶをさすった。
(3)
超新星爆発。
じいちゃんと夜の散歩。月光に照らされた畦道を手を繋いで歩く。石蹴り、虫の知らせ、田んぼの向こう側。
隣家の屋根から白く光る球が現れ、空高く打ち上がり爆ぜた。
ひゅるるる〜。ドンッ!パッパッ!
花火みたいで僕は手を叩いて喜ぶ。
帰宅後、じいちゃんは渋い顔で黒い服を準備した。
<応募感想>
1作品、予選通過の本戦敗退。入選の壁は厚い。
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