行き遅れ令嬢は、作家になりたいので縁談はお断りです。

つきがし ちの

第1話 プロローグ その縁談はもちろん…

 貴族の娘の義務といえば…


「と言うことで、是非ファリセリア男爵の3女サルビア嬢に

 うちの息子ディラムと縁談を結ばせてほしい、と言う話なのだよ。」



 そう、結婚。



「それは、願ってもいない申し出です!

 プランテス伯爵家の長男との縁談だなんて、これでファリセア家も安泰です、なぁサルビア?」



 爵位がより高い家の良縁に恵まれ嫁ぐこと。


 男爵家の3女なら、伯爵家の長男との縁談は良縁に入るでしょう。



「確かに、爵位と言う意味においてこれ以上ない縁談ですわ」



 私はお父様に話を振られたので、まずは父の求めるであろう返答をしました。



 ですが…




「この縁談は、お断りします!」


 私は、ティーカップを机の上にガチャンッ!と力強く置いて強くそう言いました。





 私には、結婚するつもりは微塵もありません。




 なぜならば、結婚なんかよりもやりたいことがあるのですから。

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