アウトレット

 久しぶりにアウトレットに夫と娘と行った。

 数店を回ったところで夫の姿を見失う。

 さらに数店で今度は娘の姿を見失った。


 これはチャンスである。

 この時を逃してはならない。


 私はお気に入りの店を数店舗ほど、ゆっくり見回り欲しいものを購入する。

 たまの贅沢だからと自分に言い聞かせて…。

 

 一回りしてから、喫茶店に入って外を眺める。


 夫がいた。手には紙袋を下げている。


 娘がいた。手には紙袋を下げている。


 私も紙袋を下げている。


 似たもの夫婦であり、似たもの親子である。


 血は争えないと思った。



 

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