　電車で子供がぐすり出して泣き出してしまった。

「うるせいぞ！」

　近くのサラリーマンから怒鳴り声を浴びる。子供はなくし、車内は空気悪いし、次の駅で降りようとしたら、ガタイの良いお兄さんがこちらを睨みながら立ち上がった。

　思わず怖くて足が震えた。

「おっさん、うるせえ！俺らが年取ったら、年金と税金払うのそいつなんだから、大切にしろよ」

　車内がもっと暗くなった。

　泣き止んだ子供の笑顔と笑い声だけが響いてた。

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