3-7.第二形態
第二形態となった魔王は空中から、強烈な闇魔法を放ってきた。
私も対抗して空を飛び、
魔王の放った攻撃の横から闇魔法をぶつける。
互いの攻撃はあらぬ方向に飛んでいく。
「ええい!鬱陶しい奴め!」
私を標的に定めた魔王と一対一の空中戦が始まる。
こうなってしまうとレオン達では戦えない。
セーナもレオン達では守れない空中戦には参加できない。
第二形態が一番厄介だったのかもしれない。
最終形態では一応地上に戻るはずだが、そこまで私一人で耐えられるだろうか。
闇魔法で弾き、風魔法で攻撃する私。
闇魔法で吸収し、そのまま攻撃に放ってくる魔王。
地上から光線を放ち援護するセーナ。
セーナに近づかせないよう立ち回るレオン達。
互いに一進一退の状況が続く。
少しずつ魔王にダメージが通り始めていく。
私を追い回しながら、セーナにも攻撃を放つ魔王。
セーナを真先に始末したいはずだが、私達がそれをさせない。
再び魔王は最初の位置に降り立つと、
魔王の体が膨れ上がっていく。
最終形態はええよ!
この魔王堪え性無いな!!
魔王の体から破裂したように、一気に闇が溢れ出す。
魔王の最終形態は闇と同化する。
魔王の間全体を覆う様に闇の霧のようなものが広がる。
この形態になると、闇の何処かに潜む本体(コア)にしか攻撃できなくなる。
逆に魔王は全方位から攻撃してくる。
だが、魔力を追えるセーナには本体の位置が特定できる!
「だめ!霧の魔力が濃すぎて特定しきれない!」
え~まじすか・・・
ゲームみたいにアイコン出てない?あるわけないね。
現実逃避している場合ではない。
私は周囲一体を吹き飛ばすように暴風を放つ。
少し私達の周囲が開けるが、次第に風は勢いを無くし闇に取り込まれていく。
吸収(そっち)の特性もあるの!
これでは本体(コア)が見えてもセーナの光魔法も届かないだろう。
全方位からの攻撃に次第に追い詰められていく。
「セーナ!大体の位置はわかる!?」
「ええ、それくらいなら!」
セーナの指示する場所に私の闇魔法を放つ。
吸収の特性があるなら反発だってするんじゃない!
私の放った闇魔法は床に着弾し、周囲を吹き飛ばす。
あった!
露出した本体(コア)にすかさずセーナが光線を叩き込む。
怯んだ本体(コア)は直ぐに霧の中に紛れ込み、姿を消す。
ラスボスのくせに戦い方がセコすぎる!
さらに苛烈になる魔王の攻撃。
同じ手は喰らわないと、私が闇魔法を放ってもよけられてしまい、
あれから本体(コア)を見つける事ができないでいる。
「皆!」
私の意図を察したレオン達に囲まれ、
中央に立つ私とセーナが手のひらを掲げる。
騎士団長の時より遥かに規模の大きい合体魔法を生み出していく。
私達の動きに焦った魔王が攻撃の勢いを強めていくが、
レオン達が必死に阻止する。
セーナの指示で本体(コア)に向かって魔法を放つ。
今度は逃げ切れず、直撃する。
合体魔法の威力により、闇の霧がすべて吹き飛んだ。
震えながら空中に浮かぶ本体(コア)が露出する。
効いてる!
コアはまだ動けないようで、次々に攻撃が命中していく。
このまま倒せるか!?
本体(コア)が爆発した様に見えた瞬間、今度は完全な闇に取り込まれた。
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