第15話

ただ漠然と、「死ねば良いのに」って形容するのが相応しい感情が心の中に渦巻いていて、別に誰かに対する恨みなんて無いし、誰かに死んで欲しい、具体的な誰かが死ねば良いのになんて思ってないのに、誰に伝えても無駄な怒りや憎しみが、存在しないから余計によく分からなくて。でも誰でも良いからぎゅっと抱きしめて、人の温もりを言葉じゃ無くて体温を通じて物理的に感じることが出来たら、この謎の殺意も収まる気がして。もしそうならこの「死ねば良いのに」っていう、誰に対してでもなく、誰かが死ねば良いと願っているわけでもないこの言葉は、愛の欠乏に起因する負の感情である気がする。


誰も私の小説作品なんて読まないのは、誰も私を愛さないからだ。当たり前だ。画面の向こうにいる素性の知らない、性格の悪い自称小説家男子大学生のことなど誰も愛さない。みんな死ねば良いのに。自分のことを愛してくれない人間みんな死ねば良いのに。ああ、めちゃくちゃしっくりきた。それが今の私の気持ちなんだ。なんて自分勝手で気持ち悪い心なんだろ。僕みたいな人間は死んじゃえば良いのに。これも私の気持ちだ。死ねば良いのに。んで、結局、誰が死ねば良いの?


ねえ、私の作品をもっとちゃんと読んでよ。

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