第11話
私は自分にも他人にも「文学の才能がない」なんてことは言わない。生まれつき言葉を扱える人間などいないという点で、全ての人間には生来の文学的才能など存在しないのだから。
これまでの人生であなたが、どれだけ言葉と向き合ってきたか。どれだけの文学を読んできたか。それが文学的才能に直結すると思っている。文学的な才能は後天的なものであって、それを得たいのであれば、今からでも言葉というものをじっくり観察する義務がある。
私が「あなたはもっと頑張るべき」というメッセージを送った作家が1人、カクヨムから行方不明になってしまった。初めて彼の作品を本棚企画にて読まされてから、私はその作家の作品のことが好きじゃなかった。けれど、星3のレビューを送ってやった作品には見込みがあったんだ。この人はこの路線で延びていけばやがてすごい文学人になるぞって私が思ったから星3なんて大層な評価をくれてやったわけでさ。
kakuyomu.jp/works/16818093
もし私の送った文字数と音節数が整った詩の体裁を取ったレビューを見て、自分の文才のなさに絶望してアカウントを削除してしまったのだとしたら(そんなことはありえないと思いつつ)私は悲しい。あんなにたくさんの人から星をもらっといて、たった1人の人間からの否定的な評価で気を病んでしまうような人間には私を楽しませてくれる文学作品など到底書けない。
もう一度言うが、私を含め、全ての人間は文学的才能など有していない。ただ、書くのを辞めてしまった人間は、結果論的に文学の才能がなかったと言わざるを得ない。
書き続けろ。そうすればいずれお前の文章を評価してくれる人が現れる。気取ってないで、言葉を丁寧に見つめてやっていればいい。それだけで私は忌憚なき称賛を、いつの日かあなたに届けるだろう。
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