第9話

侮辱的な言葉を口にしたり、文字に起こしたりすると、侮辱罪とか名誉毀損罪にもなり得るけれど、それを心の内に秘めておけば罰されることはない。侮辱を罪として咎める根拠として、言葉の発信者の悪意をどこに見ているのかが分からない。悪意はその侮辱を思いついた時点で発生しているのに、気持ちが言葉となって顕現するまで受け手は気付けないから。自分に向けられた悪意のうち、気付けたものにしか裁きを下せない人間ってかわいそうだ。

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