【サバイバル】四国州

【ビルジャック事件発生!!】

事件は、三連休が空けた火曜日の午前中に発生した。

場所は、高松市番町にある南海道電力本社ビルの営業のオフィスルームにて…

職員さんたちは、ものすごくあわただしい表情で仕事に取り組んでいた。

そんな時であった。

恐ろしい銃声が本社ビル内に響いた。

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

銃を持った男が銃を発砲しながらエントランスホールに侵入した。

銃を発砲した男は、ただつぐであった。

妹がハラスメントの被害を受けた…

だから、自らの手で会社を処罰する…

ただつぐは、そうつぶやきながら銃を発砲した。

ただつぐは、エントランスにいた常務３人と取締役５人をリョウジュウで射殺した。

その後、妹が所属している部署へ侵入した。

直属の上司の男性の頭を破壊力の強いかなづちで殴りつけて殺した。

「ぎゃあああああああああああああああ!!」

オフィス内に女性職員たちの悲鳴が響いた。

ただつぐは、オフィスにいた男性職員たち全員を射殺した。

その後、ただつぐは女性職員たちひとりずつに銃口を向けながらイカクした。

ただつぐは、ものすごく怒った表情で『妹にハラスメントを与えたのは誰だ!?』と言いながらイカクした。

この時、オツボネの女性職員が裏口から逃げようとした。

（ダダダダダダダダダダダダ!!）

ただつぐは、裏口から逃げようとしたオツボネの女性職員を機関銃で射殺した。

その後、ただつぐは残った女性職員たちを人質に立てこもった。

オフィスは、血みどろの戦場と化した。

その頃であった。

オレ・達雄（たつお）は探偵事務所（じむしょ）にいた。

デスクに座っているオレは、事件のニュースをスマホのワンセグで見ていた。

事件発生から８時間が経過した。

州警の発表によると、常務と取締役と少なくとも70人の職員が死亡した。

その上に、職員100人が負傷(5人が心肺停止におちいっている)した。

今も、大勢の職員さんたちが人質になっている…

容疑者の男は『州の労働基準監督署の最高責任者を呼べ!!』と警察に要求した。

夕方６時過ぎであった。

現場にただつぐの両親がやって来た。

両親は、ただつぐに対して立てこもりをやめて自首してほしいと説得した。

思い切りブチ切れたただつぐは、さらに10人の職員さんを刃物でズタズタに刺し殺した。

目の前で職員さんたちを殺された様子を見た両親は、激しい恐怖に震えまくった。

事件は、さらに深刻な状況におちいった。

その頃であった。

オレは、ＪＲ川之江駅の近くのアーケード通りにある居酒屋にいた。

オレは、カラオケ仲間で伊予三島駅前の商店街で床屋を経営している息子夫婦の家にイソウロウしている磯原（いそはら）さんと一緒に酒をのんでいた。

店のテレビには、南海道電力本社のビルジャック事件関連のニュースが映っていた。

店に来ていた客たちは『四国州警は何をしているのだ!?』と痛烈に非難した。

そんな中で、磯原（いそはら）さんはオレのタンブラーに冷酒（さけ）を注いだ。

磯原（いそはら）さんは『なんで州警をやめたのか』とオレに聞いた。

「なあ達雄。」

「何ぞぉ？」

「達雄は、どうして州警をやめた？」

「警察組織（そしき）にヘキエキしたからやめた。」

「組織（そしき）にヘキエキしたからやめた？」

「国の財源が地方へ移行したとたんに四国州が急におかしくなった…何のための道州制だか…」

オレは、大きくため息をつきながらテレビの画面を見た。

それから２日後であった。

オレは、事件が気になったので高松へ向かった。

オレが現場に到着する１時間前だった。

州警のＳＡＴ隊員が現場に到着した。

隊員たちは、しかめっ面で突入の準備に取り組んでいた。

オレが現場に到着する30分前だった。

ビル内にＳＡＴの隊員5000人が一斉になだれ込んだ。

隊員は、残っている人質の救出した。

同時に、ただつぐの身柄を確保した。

この時、ただつぐの身体に大きなやけどのような黒の斑点があった。

隊員たちは、ただつぐを射殺することにした。

ただつぐは、重度の薬物中毒で心神喪失状態だった。

「容疑者の身柄を確保!!これより容疑者を射殺する!!」

ただつぐの頭に銃口を向けた隊員のリーダーは『死んでもらう…』とつぶやきながらひきがねをひいた。

「イヤだ…死にたくない…イヤだ!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

死負傷者200人超（実際にはそれよりももっと多かった）…を出した。

容疑者の男は、ＳＡＴ隊員の手によって射殺された。

サイアクな結末で終わった。

オレが現場に到着した時であった。

現場は、さらに物々しい雰囲気に包まれていた。

この時であった。

旧愛媛県警にいた時のかつての部下のオノさんこと尾ノ坂刑事がオレに声をかけた。

「ああ、巡査長だ。」

続いて、同じくオレの部下だったダンさんこと淡口刑事もオレに声をかけた。

「巡査長、おひさしぶりです。」

「ダンさん、オノさん、オレは巡査長じゃなくて探偵だよ…」

「そうは言うても、巡査長は巡査長ですよ。」

「おい、ムダ話をせずに捜査に集中しろ!!今回の事件はどうなってるのだ!?」

オレはこのあと、オノさんから事件の経過報告を聞いた。

ダンさんは、オレにこう言うた。

「巡査長…いえ、達雄さん…すぐに州警本部に行ってください。」

「なにぃ!!オレに州警に復職しろと言うのか!?」

「そうじゃなくて、本部長が達雄さんにお会いしたいと言うてましたよ。」

「復職しろと言うのであれば話は受けん!!」

「復職じゃありませんよ…」

「それじゃあなんだよ!?」

「とにかく行ってくださいよ…」

「分かったよ（ブツブツ…）」

ダンさんから言われたオレは『しょうがないな～』と言いながら州警本部へ向かった。