苛立った声に晒されながらも、「やっと話を聞いてもらえる」と思う葉介の心に、なんだか胸がぎゅっとなりました。誰にも見せられなかった痛みや孤独、その奥にあった静かな願いが、静かに沁みてきます。
作者からの返信
続けてのコメントありがとうございます。
当時の混沌とした記憶から残っていた風景を書きました。
みんな孤独に生きている。でも、どうしたの?大丈夫?と声をかけてもらいたい――。
白濁した意識の中、命拾いをしたことについては何の感慨も湧きませんでした。それは詰問するような声でしたが、作中にも描いた通り、「やっと誰かに話を聞いてもらえる」という一条の光に感じました。麻痺して思うように動かせない唇をゆっくり動かしてでも、どんな罪でも告白したいと思いました。
どうにもならない闇はありますが、やはり人は人の中で生かされている。あの朝感じたものを振り返るたびに思い出します。
コメントいただきありがとうございました。励みになりました!
「でもホントは死ぬほど痛かったんです」――この言葉が、静かに胸の奥に響きました。葉介さんの抱えてきた孤独や、誰にも届かなかった心の叫びが、とても切なくて…。まるで自分の中の何かと重なるようでした。ほんの少しの優しさが、どれだけ救いになるのか、あらためて考えさせられます。
作者からの返信
コメントいただきありがとうございます。
恥ずかしながらこのような事件を引き起こしてしまったのですが、大声で呼びかけられたときに感じた安心感は不思議な肌触りのものでした。
暗闇の中それはとても威圧的な声に感じましたが、誰にも打ち明けられず積み重ねてしまったものの重みがふと軽くなった気持ちがしました。痛みや弱さのまま横たわっていいという安心。そこに辿り着くまでの長すぎた道のり。おっしゃる通り、ほんの少しの優しさで救われた命がたくさんあると思います。
私たちは誰かを救うほどの余力もなく疲弊し切っています。しかし加速する日々を止める方法はそこから脱落するしかないのか。
ほんの少しそれぞれが席をつめればみんな座れるはずなのに、声の大きい人がいつも勝ちを奪っていく。
そんな世の中において「真面目さ」など何の価値があるのか――。
そんなことに一石投じる作品になれたらと思っています。
改めまして素敵なコメントありがとうございました。
引き続き今後とも宜しくお願い致します!